複雑怪奇!心霊マンション
樹里と海里が寂れたマンションの入り口に立っている。
 
  樹里「…はぁ…嫌だなぁ…いくら取れ高がないからって、
  “ガチ“で出ると噂のマンションに行く事になるなんて…」
 
  樹里、ため息。
 
  海里「うーん、まあ仕方ない気もしますけどね。
  だって自分達、取れ高が命の心霊系動画投稿者じゃないですか。」
 
  海里、慰めるように樹里の背中をさする。
 
  樹里「…でもホントに出たらどうする…?」
 
  海里「その時はその時ですよ。ほら、さっさと終わらせてしまえば別にいいでしょう?
  行きますよ。」
 
  樹里「うわああ…慈悲がない…」
 
  海里「さ、カメラ回しますよー。」
 
  樹里「はぁーい。」
 
  樹里、ポケットからスマホを取り出し、辺りを写しもう一度ため息。
  海里は樹里の手を引いてドアをノックした。
 
  場面が変わる。今度はマンションの中で一階の廊下。
 
  海里「いやー、事前に動画撮影の許可貰っておけて良かったです。そのおかげですんなり中に入れましたね。やっぱり、管理人さんここに住みたい人が居なくて困ってたんですかね?まあ、都市伝説の怪異が現れるなんて噂がたったら物好きな人しか住まないでしょうけど..。」
 
  樹里「…」
 
  海里「樹里さん?」
 
  樹里「あ、いや…なんか白いくねくねした奴が見えた気がして…。ほら、あそこの廊下の曲がり角。」
 
  樹里、先を指さす。
  海里「白いくねくねした奴ですか⁉」
 
  海里、興奮したように樹里を揺さぶる。
 
  樹里「え、うん…」
 
  樹里、若干引き気味。
 
  海里「それってくねくねじゃないですか⁉あの有名な都市伝説の!!」
 
  樹里「くねくね…?そのままだね…?名前。」
 
  海里「樹里さん知らないんですか⁉あのくねくねを⁉」
 
  樹里「あ、うん…別に海里ほど都市伝説詳しくないし…」
 
  海里「ふっふっふ…教えて差し上げましょう!くねくねとはどの様な怪異かを!
  くねくねとは、インターネット上で広がった都市伝説の一つで、
  田んぼなどで見られる、白くて細長いものがくねくねと動いているという物なんです!
  見た人が精神異常をきたすとも言われています!」
 
  樹里「へ、へぇーー。出たよ、怪異オタク…」
 
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