空洞を頒つ
『空洞を頒つ』

〖登場人物〗女2
遥(はる)
光梨(ひかり)

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教室の座席に光梨と遥が座っている
人が沢山いて喋ってる感じの環境音を流しておく
遥、本を読んでいる

光梨「何それ」
遥「古事記」
光梨「なんでそんなもん読んでんのよ」
遥「予習範囲だったじゃん」
光梨「そうだっけ?」
遥「読んでないの?」
光梨「読んでないしまだ教科書買ってない」
遥「買えよ」
光梨「だる……古典きらーい」
遥「なんでこの授業とってるわけ?」
光梨「遥と一緒だから〜」
遥「え、キモ」
光梨「酷っ」
遥「そういう動機で授業を選ぶなって」
光梨「まあ嘘なんだけど」
遥「嘘かよ」
光梨「楽単って聞いたから」
遥「あーね」
光梨「そうでもなきゃ日本文学なんてとらないって」
遥「まあ光梨理系だしね」
光梨「面白いの、それ」
遥「ん?」
光梨「古事記」
遥「面白くはない」
光梨「よく読んでられるね」
遥「文系だからな」
光梨「そういうもん?」
遥「全文ではないからまあ」
光梨「あ、そうなの」
遥「冒頭すごいよ結構」
光梨「すごいって何」
遥「まあ読め」
光梨「(読む)……わからん!」
遥「分かれよ」
光梨「無理だって理系だもん」
遥「理系盾にするのやめてくれない?」
光梨「それはそうとして分かりません」
遥「あーまぁ、アレよ、男の神様と女の神様がいてさ」
光梨「あぁ」
遥「女の方が、私の体には足りない部分があります的なこと言うわけよ」
光梨「はぁ」
遥「で男の方が、私の体には余ってる部分があるから、合わせたらいい感じなんじゃね!?みたいな」
光梨「んー?」
遥「でそこから神様をいっぱい産んでいきます」
光梨「おお」
遥「的な感じ」
光梨「えそれさ」
遥「ん?」
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