烏合の衆
*登場人物 青木(あおき:男)、小池(こいけ:女)、死体(上原先生:男)、光?(ひかる:男) {会話文だけでの登場:壁下さん、ユミ}
男3女1 計4人
マンションの一室。玄関から、何やら音が聞こえる。どうやら開錠しているらしい。玄関に照明。
青木 ただいまー!って、誰もいないか。
玄関からすぐ目の前にはキッチン、扉を挟んでリビングという一直線につながっている構造。土足で家を見渡す青木。キッチンまで行く。キッチンに照明。リビングにはまだ当てない。玄関の照明を消す。
青木 冷蔵庫に何か入ってないかなぁ。あ!ビールあんじゃん。もーらい!
リビングに向かうための扉を横にスライドさせる。リビングに照明を当てる。リビングには死体が横たわっている。青木は、驚きのあまり、腰を抜かし、持っているビールを手放しながら口に手を抑える。
青木 え、え、し、死体?死んでるのか?えまって、やばいよなこの状況。と、とりあえず警察。いや、この状況、警察はまずい、か。あぁ、どうしよう、どうしよう。
急に、激しくチャイムの音が家に響く。
青木 ひっ!え、だれか来る、一体だれだ。もしかして、警察!?いやいや、そんなわけない。ひとまず、平常心だ。ちゃんと対応すれば怪しまれないはず。
リビングとキッチンを繋ぐ扉を横に閉める。青木がゆっくり玄関に向かう。リビングの照明を消し、キッチンに照明。
すると、小池が扉を開け、玄関で青木と鉢合わす。
玄関に照明を当てる。
小池 あれ、開いてる。
青木 え!
小池 え!?あ、青木君!?
青木 小池、なんでここに!?
小池 それは私のセリフ!
青木はとっさに噓をつく。
青木 お、俺は友達に買い出し頼まれて、それでちょうど帰ってきたところだって。小池さんはどうしたの?てか、その手に持ってるもんは何?
小池 いや、これは。
とっさに背中に隠す。
小池 私も買い出し頼まれただけ。ひ、光の彼女だからね、私。
小池も何かを隠すような言い方でその場をやり過ごす。
青木 光、光の、彼女なんだ。さっきの死体...あ。
小池 えなに、死体!?一体どういうこと?
小池は玄関で靴を脱ぐ仕草をして、青木に詰め寄る。
青木 いや、その...あぁ!もう、こうなったらやけだ!共犯になってもらうからな!
青木は、キッチンを力強く歩き、リビングへの扉を勢い良く横に引く。照明はリビングに。死体を見て小池は叫ぶ。
小池 きゃー!!え、青木君が、殺したの?
青木 まさか、帰ってきたらこの状態さ。死んでたよ。
小池 そう、なんだ。
小池が死体をじっくり見る。
小池 え、まって、上原先生じゃない?
リビングのソファーの横の机にカバンを置く。そしてソファーに腰掛ける。
青木 え?うそ。うわ、本当だ、上原先生だ。よく気付いたね。え、しかも俺たちのゼミ担当じゃん!
青木も、小池の隣に座る。目の前にある死体に語り掛けるように、昔話に花を咲かせる。
小池 そうじゃん!え、ほんとだぁ、懐かしいねぇ。
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