お前と俺と。
HappyEND篇
 お前と俺と。

CAST
 京介(きょうすけ)…普通の大学生。
 貫二(かんじ)  …明るい大学生。
 アヤ(あや)   …17歳の女の子。


  SE:事故の音(キキーッ、ドーンみたいな)
  明り。
  貫二登場。

貫二  …あれあれ?おれ、何してたんだっけ…。っていうか、そもそもここはどこなんだって話。
    ……マジで、全然思い出せねぇよー!落ち着け、おれ。まず落ち着け。―――やべぇ!記
    憶がないってヤバイって!酒飲んだわけでもないのに…、あ、まさか無理矢理飲まされて
    何かされたんじゃ…!!

  貫二、何を思ったか、身体中触って確かめる。
  貫二が下半身を確かめている時、彼が来たのと別の方から、京介が登場。

京介  か…、貫二?何してんの?
貫二  あ、京介!?
京介  あ…。

  間。
  貫二、恥ずかしくなる。

貫二  …いやー、偶然じゃん!すっかり大きくなっちゃって。もう親父さんの身長抜いた?
京介  何親戚のオジサンみたいな事言ってんだよ。まぁいいや。とにかく、久し振りだなー!
    会うのは…高校卒業して以来?
貫二  そうだね。お互い忙しくなっちゃって全然会えなかったからな。メールとか電話とかも最
    近は少なくなったし…。
京介  …悪かったよ。おれもいろいろ大変でさ…。
貫二  いやいや。それより京は最近どうなの?
京介  え?何が?
貫二  何が?って、ほら、大学は授業が大変だけどバイトが楽しいとか、新しい彼女ができたと
    か、駅前のセブンでおにぎり買ったとか、そういう最近の状況だよ。
京介  おにぎりの申告しなきゃダメ?
貫二  例えだってば。
京介  まぁ、おれはそれなりに楽しかったよ。もうちょっとはしゃいだりもしたかったけど…。
貫二  これからはしゃげば良いじゃん。学生生活楽しまなきゃだろ?
京介  …そう、だな。…お前は?どうだった?
貫二  おれ?うん…まぁ、普通かな。…って言うか、京といると楽だな。やっぱ。おれにはお前
    が必要なんだーって思った。
京介  え?愛の告白?
貫二  …うん。笑わないで聴いてくれよ。…最近ずっと会えなくて、眠れない夜がたくさんあっ
    た。京の事考えてて、切なくなって…。おれさ、男同士で変かもしれないけど、ずっとお
    前が…って、んなわけないだろ!
京介  何、ノリツッコミ!?しかも長い!
貫二  うるせぇよ。それより、ここってどこ?なんか迷ったみたいなんだけど…。
京介  …はぁ…、やっぱり、なんも考えずにこんな所にいるんだな。
貫二  バカ、おれはいろいろ考えてえたよ。…貞操は大丈夫かって。
京介  しらねぇよ。…あのさ、お前は…――っと…
貫二  何?
京介  いや、何でもない。ここはアレだよ。おれ達が卒業した高校の裏門じゃん。
貫二  …あ、ホントだ!何で忘れてたんだろう?懐かしいなー。
京介  うん。懐かしいな。
貫二  戻りたいよ。あの頃に。
京介  貫二…?どうしたんだよ。…何かあった?
貫二  別に、感慨に耽ってただけさー。
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