夢の友達
「夢の友達」 作・東 詩依
【登場人物】
大人1
大人2
舞台は住宅街の片隅にあるような、何の変哲もない公園である。
舞台中央にベンチ、その傍に煙草の吸い殻入れが置いてある。
○昼下がりの公園
閑散とした園内で、1がひとりベンチに座り、本を読んでいる。その足元には大きめの鞄が置いてある。
1は人を待っており、周囲や時計を気にしてはまた読書に戻る――ということを繰り返している。
少し経ち、下手から2がやって来る。2は肩掛けの鞄を身につけている。
2は吸殻入れを見つけるとベンチへ近づき、1に話しかける。
2 あの、すみません。
1 はい、何でしょ――。
2の顔を見て固まる1。
2 あの、どうしました……?
1 ……あなた、やっと来たんですね!
2 え?
1 もう来ないんじゃないかって諦めるところでした……。さぁ、どうぞ座ってください。
2 いや、ちょっと――。
1、強引に2を隣に座らせる。
困惑する2をよそに、1は一方的に話し出す。
1 しかし遅かったですね――今まで何をしていたんです?
2 え?
1 ここに来るまでですよ――遅れてきたんですから、ちゃんと話してください。
2 えっと……昼食を食べてましたけど……。
1 ご飯ですって!? 私はまだ食べていないのに、ひどいことをしますね……。
2 ……すみません。
1 ま、ちゃんと来てくれたのでいいです。それで――。
2 (遮って)あの!
1 (驚いて)どうしました?
2 その、言いにくいのですが……どうやらあなたは、勘違いをしているようでして……。
1 勘違い?
2 えぇ。
1 またまたぁ、私がどんな勘違いをしてるって言うんです?
2 ――私は、あなたの待ち人ではありません。
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