二万円の幽霊
  開幕。
  部屋中に荷解き中の段ボールが置かれている。
不動産屋(袖から)「あと大家さんからも言われてると思うんですけど、押し入れの奥の木箱はそのままでお願いしますね」
華(袖から)「分かりました。ありがとうございました~」
  段ボールを抱えた華、下手から登場。
華「よし、これで最後。我ながら頑張った! 拍手!」
  華、小さく拍手。
華「ハァ、東京って忙しいし、うるさいし、明るいし。思ったより……ハァ。住んでみないとわからないもんだな」
  「バイクうるせーんだよっ」などと毒づきながら片付け始める。
  凛、ドア前に登場。
  ♪チャイム
華「誰? 引っ越し早々。はーい」
  華、下手に向かい、ドアを開けるマイム。
凛「よお」
華「え、凛。凛も東京だっけ? アパート教えたっけ? まぁ入ってよ、とっ散らかってるけど」
凛「ありがとー。私は三日前に引っ越してきた。ちなみに華の隣。403」
華「えー嘘」
  華と凛、中央に移動。
凛「うお、汚え」
華「だから言ったじゃん。引っ越したばっかだししょうがないでしょ」
凛「まぁその散らかしを片付けに来てやったのだよ。喜べ」
華「わーい」
凛「棒読みすぎるだろ」
  凛、部屋を回りながら。
凛「これ何?」
華「メイク道具」
凛「これは?」
華「食器」
凛「これは?」
華「それはー、何だっけ。開けてみ」
凛「えーっと、あ、漫画だ」
華「ウワーッ 見なかったことにして!」
凛「へ?」
華「見なかった、ことに、して! それはお前が触れていいものじゃない、ゆっくりこっちに渡すんだ……!」
凛「そんな立てこもりの相手するみたいな。別にジョジョ好きでもいいじゃない」
華「わー! ……え、ジョジョ? あ、ジョジョかそれ。ならオッケー」
凛「オッケーじゃない漫画もあるのね」
華「……」
凛「墓穴ほったね。何の漫画?」
華「……『ちゃお』系」
凛「いいじゃん、別に」
  華は荷解きに戻るが、凛はジョジョを読み始める。
  雪、上手から登場。両手を広げ、パワーを込めるマイム。
凛「フフッ……ふむふむ……ほーん?」
華「ちょっと読んでないで片付け(してよ」
凛「あっ、死んだ! 嘘!」
華「誰!?」
  華、凛に近寄る。
凛「これこれこれ、この人」
華「誰々……って片付け!」
凛「へいへい」
  凛、ジョジョを箱に戻して片付け始めるが、すぐに手を止める。
凛「……なんか耳つまる」
華「たしかに、飛行機乗ったときみたいな」
凛「やだなぁ、この感じ」
華「わかる」
凛「あーそういや、家賃いくらだった?」
華「同じでしょ。五万」
凛「うち七万なんだよね」
華「えー嘘。なんで二万も差があんの?」
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