夢で私に会いましょう
「夢で私に会いましょう」  冨山 晴

    
花山(ハナヤマ) 由美(ユミ) 現在不登校の高校二年生。基本人前では笑顔なので、楽観主義者と思われ
        る事が多い。実際は人に迷惑をかけたくない一心で気持ちを押し殺してい
        るだけ。自分の気持ちを優先することを悪だと思っている。勉強が得意で、テスト前はよく稔や琴葉に泣きつかれて勉強を教えている。満更でもなかったりする。

登川(ノボリカワ) 稔(ミノリ) 由実の同級生。今を大切に生きる元気いっぱいなリーダータイプ。不登校
        の由実を心配して、琴葉と共に毎日のように家に行ってはその日の出来事
        を話している。少々自分の意見、考えを押し付ける傾向があり、そのせい  
        でぶつかる事もしばしば。勉強が苦手。

坂谷(サカタニ) 琴葉(コトハ) 同じく二人の同級生。内気な性格でよく稔に振り回されている。
        嫌なわけではないが、自分の思っている事をハッキリ言葉に出来ない事
        については悩んでいる。こまめにノートやメモをとるタイプ。劇や本が好  
        きで、休日は劇場へ行ったり図書館に入り浸ったりしている。
夢美(ユメミ)    由実の夢の中に現れる存在。多くを語らず、態度はどこか大きい。正体は
        由実自身の「心」そのものであり、由実の本心を引き出して精神を安定さ
        せる事を目的としている。懐中時計を所持しており由実の目覚めるまでの
        時間を計っている。仕事人気質なのかも。

悪夢(アクム)    夢美と同じく、由実の夢の中に現れる。夢美とは違い、由実の悲観的な
        部分を肯定してもっとどん底に落としてくる。夢美とは面識があるのか、
       「性悪」と罵られている。口調は敬語で紳士的。よく口笛や鼻歌を歌ってい
        るが、それは単に格好付けているワケではなく次の標的探しにウキウキしているからだそうで。






    場面1「由実の精神内」
    
    (舞台中央に由実が一人。『』の台詞は録音)

由実  「ねぇ!この課題なんだけど、ココもっとこうしたら…」
   
録音1 『ちょっと、勝手に変えないでよもう。余計に手間がかかるじゃん』

由実  「そう…。あっ、ねぇねぇこの部分はもうっとこうすると楽に…」

録音2 『はぁ、今忙しいんだよ。うるさいな』

由実  「ご、ごめん…」

録音3 『皆が冷たい?』

由実  「はい…先生。皆、私と話すとき嫌そうな顔するんです。
     私皆から嫌われてるんでしょうか」

録音4 『そう。もしかしたら花山さんは自分の意見を押し付けてばかり
     なんじゃないかしら』

由実  「別に押し付けてるわけじゃ…。私は自分の意見をちょっと言っただけで」

録音5 『(話をさえぎって)花山さん。自分の意見より相手の気持ちを考えることが
     大事よ』

由実  「自分の意見より…相手の事…(しばらく繰り返す)」
     
1/16

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム