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流行りのアイツ

流行りのアイツ

男
インフル

男、寝込んでいる。
そこにやってくるインフル。
不穏な音楽がなり、病原菌が怪しげな躍りを踊る。

男「うう…帰れー！！！」

暗転。起きると、インフルは消えている。

男「はぁはぁ…夢か…。ッてか、頭痛ッ……。くそー、最悪だよインフルエンザ…。おーい、誰か、誰か水持ってきてー。」

インフル、水持ってくる。

男「さんきゅ。ってか、うわあああ！！！」

水ぶっかける。

インフル「水も滴る…いいウイルス。」
男「誰だ変質者！！去れ！！」

男、次亜塩素酸水を振り撒く

インフル「嗚呼ッ。やめてっ。次亜塩素酸水には弱いのッ。」
男「お前、どこからきやがった」
インフル「私？どこにでも居るよ。そう、いつでも君のすぐ側に…。」

インフル、かっこよく口づけとかしてこようとする。
男、次亜塩素酸水を振り掛ける。

インフル「嗚呼ッ！組織がッ！分解するッ！」
男「もしもし、変質者が不法侵入中です」
インフル「やめたまえよ君。」

スマホを取り上げる。

男「何なんだあんた」
インフル「私？私は私ですよ。」

男、次亜塩素酸水を構える

インフル「インフルエンザウイルスです。ちなみにA型です。」
男「…俺が熱でおかしいのか、お前が変質者なのか」
インフル「ウイルスを捕まえて変質者とは、失礼じゃありませんか？ぷんぷん！おこおこ！」

男除菌

インフル「いやんやめて宿主ッッ」
男「じゃあれか、お前のせいで俺はこの地獄の苦しみを味わってるってことか」
インフル「おかげさまで宿らせて貰って。我々ウイルスなんてのはね、単体では生きていけない生き物なので。旦那のような優しき宿主が居てくれる事で、こうやってハツラツと生きていけるってわけですよ。ブラボー！歌でも歌っちゃおうかなぁ！一緒に歌っちゃいますかぁ！」
男「今すぐ出てけ！！！」
インフル「なじょした宿主」
男「なじょしたじゃねえ！！お前のせいでなぁ！！頭は痛ぇ！！身体は痛ぇ！！！気持ち悪くて飯も食えねぇ！！！それに…」
インフル「それに？」
男「大切な予定があったんだよ…！！ずっと前から、楽しみにしてた大切なイベントがあったんだ…！！それを…畜生！！」

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