姉の元カレと付き合っている妹の恋人に言い寄られる女の話
姉の元カレと付き合っている妹の恋人に言い寄られる女の話

作・新堀浩司

人物


御法川早苗(みのりかわさなえ) 29歳
御法川海美(みのりかわうみ)  27歳
御法川紅葉(みのりかわもみじ) 25歳


   舞台は御法川家の居間。昨晩は母、雪代の還暦を祝うため三姉妹が実家に集まって
   いた。3人とも酒を飲んでいたので宿泊。三女、紅葉が登場。スマホを操作しなが 
   ら歩いてくる。
   やがて、長女の早苗が登場。

紅葉「おはよう」
早苗「・・・頭痛い」
紅葉「明らかに飲み過ぎだったよ」
早苗「そんな飲むつもりなかったんだけどなあ。お母さんに付き合っちゃった」
紅葉「無茶だよ。お母さん底なしなんだから」
早苗「底なしっていうか、虚無だね。酒を飲む虚無」
紅葉「全然弱くなんないよね。還暦っていうのが信じられない」
早苗「で、そのお母さんは?」
紅葉「分かんない」
早苗「まだ寝てるの?」
紅葉「ベッドは空っぽだったから、多分起きてどっか出かけたんじゃない?」
早苗「いやー、ちょっとタフすぎるでしょ」
紅葉「昨日もなんだかんだ言って、お母さんが一番動いてたからね。お母さんの還暦のお祝いなのに」
早苗「見た目も変わんないよね。久しぶりに顔合わせたけどさ、全然老けない」
紅葉「でも特別な肌の手入れほとんどしてないって」
早苗「うっそ。マジで?どういうこと?悪魔と契約でもした?」
紅葉「かもね」
早苗「ほんと、かなわないわ。女手ひとつで娘3人育てたことがまずすごいしね。私なんか絶対無理だもんなー。まあ、その前に結婚相手探せって話なんだけど」
紅葉「あー、早苗姉ちゃん。一応言っとこうと思うんだけど」
早苗「ん?なに?」
紅葉「私、多分近々ケンジと結婚すると思う」
早苗「え?あ、そうなの?」
紅葉「うん。まだ具体的にそういう話してるわけじゃないけどなんとなく雰囲気で?そんな感じかな」
早苗「へえ、そうなんだ。良かったね」
紅葉「うん」
早苗「ていうか、まだ付き合ってたんだね」
紅葉「お陰様で」
早苗「付き合って何年?」
紅葉「来月でちょうど3年かな」
早苗「そうなんだ。じゃあ大体私が付き合ってた期間の半分くらいか」
紅葉「・・・」
早苗「あ、ごめん。変な意味じゃないよ。まあ、とにかくおめでとう。私のこととか気にする必要ないからね」
紅葉「あ、うん。そこは全然気にしてない。結婚式とか来てほしいんだけど、大丈夫?」
早苗「行くに決まってるでしょ?かわいい妹の晴れ舞台なんだから」

   そこに次女の海美が登場。

海美「おはよう。早いね二人とも」
紅葉「ああ、ウミ姉おはよう」
海美「お母さんは?」
早苗「行方不明」
海美「は?」
紅葉「どっか出かけたみたい」
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