夏目玲子の回帰
~虚空の参道~
夏目玲子の回帰〜虚空の参道〜
所要時間 90分前後
男2 女3
登場人物(詳細は別資料 文量が多いため、作者個人サイトに掲載しています。
https://seragikakuto.amebaownd.com/posts/56289216)
夏目 玲子 (なつめ れいこ)
二十七歳 女性 寂れた雑居ビルに探偵事務所を構える残念美人。警察と委託契約を結んでおり、難事件の解決を行うこともある、諮問探偵。
有栖川 倫太郎 (ありすがわ りんたろう)
二十歳 男性 玲子の助手 普通すぎて変な男子。
森久保 明美 (もりくぼ あけみ)
四十二歳 女性 玲子の事務所のビルオーナーで一階に半地下の喫茶店を構えている。玲子の叔母で育ての親。
相座 美波 (あいざ みなみ)
二十三歳 女性 明美の喫茶店の常連で近所付き合いもある。妊婦だが、頼れる親類は居ない。
過生 錠愁 (かせい じょうしゅう)
四十〜五十代 男性 最近明美の喫茶店に通い始めた客 営業職で、エリアの配置換えでこの地域に来ることになった。
名前だけ登場する人物
眞道 灼 (しんどう あらた)
二十七歳 男性 玲子の幼馴染で警察官。常陽度の高い事件の捜査に行き詰ると玲子を頼る。
一条 真 (いちじょう まこと)
二十七歳 男性 眞道 灼の同期で、別部署の警官。
教授
???
【ご注意】
この台本はミステリー部分の内容に関し、妊婦さんが悲惨な目に遭う描写がございます。
胸糞悪いまま終わるようなお話ではないですが、閲覧の際にはご注意ください。
また、前作『夏目玲子の憐憫〜21gの行方〜』の続編となります。
こちらの『回帰』だけでも楽しめますが、キャラクター詳細や描写において本作だけでは読み取れない部分もございますので、ご承知おきください。
*******************************************************************************************************
ト書き:倫太郎モノローグ
有栖川倫太郎:ふとした時、あの頃にかえりたいと思う。
難しいことを考えなくてよかったあの頃。
ただ友人たちと、思うまま遊んでいたあの頃。
漠然と広がる未来に、無責任な期待と無根拠の希望を抱いていられた、あの頃。
別に今だって、難しいことを考えられるほど賢くなったわけじゃない。
特別にやり直したい過去があるわけでもない。
これまでの積み重ねを否定したいほど、僕は僕を嫌ってはいない。
それでも、ふとした時、あの頃にかえりたいと思う。
具体的にいつとか、はっきりとどことかは無くて、ただ何となく、あの頃に戻れたらって。
そうして、たった一秒前にさえ戻れないことを思うと、少しだけ寂しくなる。
この寂しさの正体は知らないけれど、大抵の人はきっと、その虚しい温度を知っている。
あの人は、その寂しい温もりを、知っているだろうか。
1/13
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。