宵に月明
紫月(しづき)
進路に悩んでいる。自己主張は少なめ。真面目で努力家。よく恒太に質問している。
恒汰(こうた)
東大志望の天才。ただ変なところがある。たまに厨二病。変なことをしては星奈に突っ込まれるまでがセット。
星奈(せな)
占いに目覚めて早10年。人助けが好きなため占い系統の道に進もうとしているが、人助けの方向性が違うことに気づいていない。
シーン1
紫月にピンスポ。後ろで時が止まったように動かない二人。
紫月 思い出話って、ほとんどが笑い話だ。
高校2年生の冬、そろそろ進路について真剣に考えなければいけない時期。社会のことなんか何一つ分かっていない学生たちは、それでもなんとか目標を定め、努力する。悩んで、 苦しんで、時には泣きながら。
そんな辛い思い出さえも、いつかは笑い話になるのだろうか。
そう考えると、ちょっと癪だ。
チャイムの音。星奈、机に突っ伏して爆睡。
紫月 気をつけ、礼。ありがとうございました。
恒汰 あざした〜。
星奈 ・・・あびゃっ!?
恒汰 星奈、お前またか。
星奈 うぇ、何が?
紫月 何がって、寝てることがだよ。
星奈 えっ!?い、いや、寝てないわよ!
恒汰 嘘つくなよ。あんなに船漕いておいて。
星奈 別に揺れてただけよ!?
恒汰 なんで。
星奈 ・・・・・・・・・揺れたかったから?
紫月 授業中に?
星奈 そうそう!急に揺れたいーって衝動が!!
恒汰 それはそれで怖いな。
星奈 それにほら!私揺れたら勉強したことが頭に入りやすい体質じゃない!?
紫月 そんなわけないでしょ。
星奈 あるの!こうやって動いたら頭も回転するし!(頭を振る)
紫月 物理ィー。
恒汰 じゃあ言ってみろよ。さっきの授業で先生がしてた話。
星奈 えぇっとぉ・・・。
変な曲が鳴り響く(ネタ曲なら何でも可)。
星奈 あ、電話!!
恒汰 着信音かよ!?
星奈 電話出るから行くわね!
恒汰 ちょ、まだ話は終わって・・・
星奈 (高い声で)もしもし?はい。・・・あぁ、依頼ですかぁ?
星奈、話しながら出ていく。
恒汰 相変わらずだな、あいつは。進路のことなんぞ考えちゃいない。前のテストもあんな点数叩き出しておいて・・・。
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