見習いサンタユーマの非日常
〜登場人物〜
・ユーマ(男) …サンタ見習いの少年
・ミラ (女) …女性のサンタ。ユーマの師匠
・カイト (男)…ミラのトナカイ(トナカイ=サンタの助手という認識)
・柊 柚希(女)…柊家の長女。一番上
・柊 優希(男)…柊家の長男。真ん中の子
・柊 光希(女)…柊家の次女。末っ子
ユーマ 「師匠の馬鹿!もうこんなとこ出てってやる!!」
ミラ 「あ、ちょっと…!」
ドアの開閉音
明転
ミラ 「ああ、またやっちゃった…」
ミラ 「まったく、年頃の男の子ってわかんないよ…。どう接したらいいの〜?………ま、そのうち帰って来るか。さ、仕事仕事〜」
ドアをノックする音
ミラ 「入ってまーす」
カイト 「ここはトイレか!」
ミラ 「まあまあ、細かいことは気にしないの。入っていいよ〜」
カイト 「失礼しまーす」
カイト、登場
カイト 「今年もたくさんお手紙来てるよ」
ミラ 「相変わらずだね〜。もうそんな時期か」
カイト 「これから忙しくなるな」
ミラ 「ね〜」
カイト 「そういや、ユーマは?」
カイト 「あれ?すれ違ってない?」
カイト 「え?うん…」
ミラ 「おっかしいな〜、少し前にここから出てったからすれ違うはずだと思うんだけど…」
カイト 「また喧嘩したのかよ。いい加減学べばいいのに」
ミラ 「それどういう意味?」
カイト 「ユーマ、なんで出ていったんだ?」
ミラ 「そりゃ私の発言が癪に障ったからでしょ」
カイト 「なんて言ったの?」
ミラ 「えっとー、最後に言ったのは『そうカリカリしないでよ。カルシウム足りてないんじゃない?だから背も伸びないのよ』だったかな」
カイト 「はぁぁぁ…」
ミラ 「大きな溜息ねぇ 」
カイト 「何回目だよ、それ言ってユーマ怒らせて家出されんの」
ミラ 「私そんな言ってる?」
カイト 「言ってる」
ミラ 「嘘、気をつけよ。教えてくれてありがと」
カイト 「ん。じゃあ僕行くから」
ミラ 「…ねぇ待って」
カイト 「何?」
ミラ 「あなたここ来る時どっちの扉から来た?」
カイト 「え…普通にこっちだけど…。なんで?」
ミラ 「そうよね…。あのさ、さっきユーマが出ていったこと知らなかったでしょ?でも時間的にカイトとすれ違ってないとおかしいのよ」
カイト 「何が言いたいの?」
ミラ 「あのね、私の記憶違いじゃなければユーマは…こっちに走っていったわ」
ミラ、入口とは反対のドアを指さす
カイト 「は?確かそっちって人間界への転送ゲートだったよな?」
ミラ 「ええ。あの子カッとなると周りが見えなくなる子だから、もしかしたら扉を間違えたのかも…」
カイト 「はぁぁぁ!?」
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