たりないぼくら
たりないぼくら


【登場人物】
太郎:定時制昼間部 男子 恋人がほしい 怠惰な性格
夏織:定時制昼間部 女子 お調子者でムードメーカー
響子:定時制昼間部 女子 真面目で常識的
寺門:定時制昼間部 男子 生徒会役員
町田:定時制昼間部 男子 二十周年記念誌担当 

恭平:定時制夜間部 男子 天然(時の運)
早希:定時制夜間部 女子 明るい。恭平が好き
志保:定時制夜間部 女子 クール(知力)
春香:定時制夜間部 女子 努力家(体力)
田辺:定時制夜間部 ?  マイペース


夏休み前、7月頃

【シーン1】(昼の教室)
(チャイムが鳴り、幕が上がる)
(響子が教室で自習をしている)
(町田と太郎が話をしながら歩いてきて教室に入る)

町田:だからさ、俺は今回の文化祭は、今までにないレベルのものにしたいわけだよ
太郎:それはさっき聞いたよ。なんでそんなに熱入ってんだよ
町田:お前、うちの学校にとって、来年ってものがどんな意味を持ってるか、知ってるか?
太郎:いや、知らない。俺たちが2年生になる年、とか?
町田:ブブー。本当に知らないのか。
太郎・もったいぶってないで教えろよ!
町田:実は、来年、令和6年は、この高校が開校して二十周年の記念すべき年なんだよ!
太郎:へえー
町田:どうだ、驚いたか?
太郎:いや、それは特に興味もなかったから、別に驚きはしないけど、それで何で文化祭になるんだよ
町田:実は、俺は二十周年の記念誌の生徒編集委員なのだ!
太郎:で?
町田:記念誌には写真も盛り盛りで載せたい。映えるやつを!たくさん!
   そして、できれば自分も写りたい!だって十年後も二十年後も残るんだぜ!
太郎:なるほど
町田:発行は来年、ってことは、今年までの写真がたくさん使われるだろ、
   だから、今年の文化祭から頑張ってもらいたい、ってわけだよ。
太郎:めんどくさいな、生徒会役員とか他のやつに頼んでくれよ
町田:そんなこと言うなよー。さっき職員室で担任と文化祭の話、してたじゃないか。友達だろー
太郎:俺は、そもそも文化祭に興味がないんだって。
町田:なんだよー。ちょっと他のクラスにも声かけてさ、また来るから、
   ちょっと何かいい案考えといてくれよな!
太郎:はあ、わかったわかった
町田:ほら、俺十周年記念誌も資料で持ってるから、今までの企画とか、何かあれば教えるからさ!
太郎:はいはい
町田:頼んだぞ!よろしくな!(頼みながらはける)

響子:面倒なことに巻き込まれそうだね、太郎くん。
太郎:ほんと、なんだってあんなにはりきってるんだか・・
響子:私、町田くんと中学校一緒だったからわかるけど、
   町田くん中学校の頃はすごく大人しかったんだよね。
   だから高校ではいろいろやりたいことに挑戦したいって気持ちが、人一倍強いんじゃないかな。
太郎:だからって文化祭って、なあ、リア充のイベントじゃん
響子:でもさ、ほらうちの学校って、フレックス制とか定時制とか言うけど、昼の部と夜の部って別れてるでしょ?
   私たち昼の部からすると、夜の部とか重なる部分がほとんどないから未知の世界だし
   そんな人たちと一緒に同じ時間を過ごす文化祭って、ちょっと楽しみってのは分かるなー。
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