聖夜の星旅
〈登場人物〉
天音 愛紫亜
鈴夜 彩寿
空音/カリヨン
契/車掌
鳥捕り
琴
[1]
ツーツツツ…ツー…ツー…と何処からか聞こえるモールス信号の様な音。
『ニュウデン…コウドアンゴウツウシンボウジュ…ゲンザイカイセキチュウ…カイドクカンリョウ…ガゾウフセンメイ…シュツリョクカイシ…』
(入電…高度暗号通信傍受…現在解析中…解析完了…画像不鮮明…出力開始…)
無機質な機械音が響く
舞台上には一筋のスポット。1人の少女の姿が浮かび上がる
空音「ごきげんよう」
と、少女がにっこり微笑めば
『お前!ふざけているのか!?!?』
と、怒号が響き渡る
空音「ふざけてなんていませんよ?」
『地球に降りた意味を忘れたのか』
空音「忘れていません」
『フンッ…一族の恥さらしが…!』
『星が増えていないのがいい証拠だ。最近では新しい星が増えるどころか、消滅する星が増える一方で…』
空音「存じておりますよ」
空音は怒号を遮って、なんでもないように言う
『ならしっかりと役目を全うしろ。銀河鉄道こそが、無能のお前に与えられた、唯一の救いだからな。』
空音「何が救いよ(ボソッ)」
『何か言ったか?』
空音「いーえ。なにも」
『少しは役にたって見せろ。一族の…』
空音は顔の横でパンッと手を叩き、強制的に通信をショットアウトする
スポットが消え、明るくなる舞台そこには、空音ともう1人。メイド服を着た少女が立っている
契「ご苦労様でございます。空音様」
空音「はいはい。もう慣れたものよ。」
契「明日は銀河鉄道を動かされるのですか?」
空音「……そうね。そろそろ腹を括らなきゃ」
契「かしこまりました。……ですが、本当によろしいのですか?」
空音「契…。やっと決意したのに、揺るがすようなことを言わないでー」
契「フフフ。それは大変失礼いたしました」
契は悪びれもなく言う
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