猫化症候群
〈登場人物〉
猫崎 七海(女) 
猫崎 京子(女) 
逢川  蓮(男) 
雨宮  暦(性別はどちらでも可、作者は女性のつもりで書いてます)

1.
開幕、明転。机を挟んで椅子が二つあり、一つに京子が座っている。
七海が上手から目を擦りながら登場。
七海「おはようにゃ、お母さん...」
京子「ああ、おはよう、七海。今日の朝ご飯は貴方の好きなもけもけよ...って、えっ!?
  ちょっと待ちなさい、七海、貴方今なんて?」
七海「え?何も言ってないにゃ。ただおはようって言っただけにゃ。...にゃっ!?
  ちょっと待つにゃ、私今なんて?」
七海・京子「...にゃって言った!?」
京子「(ひどく動転して)どうしましょ、どうしましょ、ついに七海がぶりっこに、
  (七海が否定する)あら、そう?じゃあ病気?110番?119番?117番...は時報
  だったわね。とにかく病院行くわよ!」
七海「ちょ、ちょっとお母さん落ち着くにゃ!なんか、口が勝手ににゃって言っちゃうん
  だけど、意識すれば大丈夫...........にゃ。」
京子「大丈夫じゃないじゃない。とにかく貴方の意思には関係ないのね?ああ、やっぱり
  何かの病気よきっと。あああああどうすればいいの、何科のお医者さんに見てもらえば...」
七海「お母さん本っ当に心配性だにゃ...もーう、一旦落ち着くにゃ!!」
京子「うるさいわね!私の可愛い可愛い七海が病気なのよ?落ち着けるわけないじゃない!」
七海「え、いや私がその七海...」
京子「あああ私の可愛い七海...どうしてしまったの...」
七海「というか語尾ににゃってついてて何か生活に支障あるにゃ?」
京子「大有りよ!ただでさえ可愛い七海がますます可愛くなって男子たちにモテモテに
  なっちゃうじゃない!告られまくりよ!」
七海「そこじゃない気がするにゃ...というかそれはいいことにゃ...」
京子「そんなことないわ!七海は私が死ぬまで私の可愛い天使ちゃんなのよ!交際なんて
  永瀬廉レベルのイケメンとしか認めないわ!...って話の腰が折れたわね。とにかく
  七海、病院に行くわよ!」
京子、下手へ走り出ていく。
七海「ああもう、お母さんったら...私ももう中学生なんだから子離れしてほしいにゃあ...」
玄関のチャイムの音。下手から蓮が歩いてくる。
蓮 「あれ?蓮って聞こえたから来てみたんだけど、呼んだ?」
七海「ああ、蓮くん。”れん”違いにゃ。今お母さんが、七海と付き合うには永瀬廉くらい
  イケメンじゃないと!って言ってただけにゃ。まあ、蓮くんも永瀬廉と同じくらい
  かっこいいけどにゃ!」
蓮 「あ、ああ、ありがとう。まあ、僕彼女いないんだけどさ...女子と話すのも幼馴染の
  七海くらいで。実は好きな子がいるんだけど...」
七海「えっ!?好きな子がいたにゃん!?(京子の呼ぶ声がする)あ、お母さんが呼んでる
   にゃ。蓮くんならきっとその恋を実らせることができるにゃ!じゃあにゃ!」
七海と蓮、ハイタッチをして、七海は下手へ歩いて退場。蓮はその手を見つめている。
蓮 「...って七海!?いまにゃって言った!?なんで!?」
暗転。

2.
明転。
下手に椅子二つ、上手に椅子一つ。上手に暦が座り、下手には京子と七海が座る。
暦はパソコンをいじりながら考え込んでいる。
七海「ほら、お母さん...かかりつけ医の雨宮せんせじゃにゃくて専門的なところに
  行ったほうがいいって言ったでしょ?」
暦 「おーっと、それは聞き捨てならないねえ。その専門的なところを紹介するのも
  かかりつけ医の仕事だよ?」
七海「あ、ごめんなさいにゃ。」
暦 「はっはっは、いいんだよ。」
京子「それで先生、やっぱり七海は何かの病気なのでしょうか。」
暦 「いやー、見た所七海さんの体には異常は無くてね...少なくとも体が猫になってるわけではなさそうで残念...
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