蒼穹に散る
『蒼穹に散る』

キャスト
  *セオリ(男)
  *アキツ(男)
  *イブキ(女)
  *サスラ(男)


セオリ板付き
アキツ、入場


アキツ「兄さん大変だよ! 兄さん・・・? おーい、聞こえてる?

    ・・・セオリさーん、セオリ兄さーん?

    一昨日テストで悪い点取って先生に叱られたセオリくーん!」

セオリ「聞こえてるよ! なんなんだよアキツ、さっきから何度も!」

アキツ「なんだよはこっちのセリフだよ。ぼーっと空眺めて何してるの」

セオリ「鳥見てた」

アキツ「鳥? あ、ツバメだ。もうそんな時期なんだね。すごいよね、

    あんな小さいのに何千キロって距離を飛んで、海の向こうから来るんだもん」

セオリ「決めた・・・オレは、鳥になる!」

アキツ「・・・・・・すっかり春だなあ」

セオリ「おい! こっちは本気なんだぞ!?」

アキツ「あのね兄さん、確かに自由に飛べる鳥はうらやましいけどね?

    僕たちほ乳類は、どうがんばっても鳥類にはなれないんだよ?」

セオリ「誰が鳥類になるって言ったよ」

アキツ「兄さん」

セオリ「オレは鳥みたいに空を飛びたいって言ったんだよ!」

アキツ「いや一言も言ってなかったけど・・・でもなんで急に?」

セオリ「鳥っていいじゃん。あんな広い空をさ、自由に飛べるんだぜ。

    道も、山も、海も、国境も、ぜーんぶ無視して、ピューって飛んで行けるんだ」

アキツ「まあ・・・それはちょっとわかる。でも人間には羽が無いよ。

    羽が無きゃ空は飛べないんだから。それともロウで羽を作るの?」

セオリ「ロウ? なんだっけそれ」

アキツ「イカロスの翼だよ。昔母さんにも本で読んでもらったじゃん。

    ロウで出来た偽物の羽で空を飛ぶけど、太陽に近づき過ぎて羽が溶けて、
1/13

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム