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最低な夜

A：絡んでる人
B：うんざりしてる人

A：なあ。　なあ。　なあって。　おい、無視すんな。
B：⋯⋯
A：もう一度くすぐってやろうか〜。
B：それはやめろ。
A：ようやく返事した。
B：お前しつこいぞ。
A：しつこいってどういう意味だよ
B：そのままの意味以外にあるか。無視してんだから話しかけてくるな。
A：俺なんかお前を怒らせることした？
B：しただろ。そして、してるだろ現在進行形で。
A：マジ。
B：俺が今歯磨きしてるのが見えないのか。
A：あ、歯磨き。偉いな。
B：常識だよ。
A：いやいや、この時間にやってるのが偉い。さっき夕飯食べ終わったばっかり。
B ：このタイミング以外にいつやるんだ。
A：いつって、寝る前？あ、そうか。

A：お前、どっかの部屋に遊びにいくつもりなんだろ。なあ。
B：声がデカいって。他の部屋に聞こえ⋯⋯るのか？
A：お前、もしかして女子の部屋に。嘘だろ、女子フロアの部屋には立ち入り禁止だぞ。しかもしかもしかも部屋の声の漏れ具合を気にするなんて、お前。なんてヤラシイやつなんだ。まさかだけど、ウノで盛り上がっちゃったりするのか。ナンジャモンジャゲームで声張り上げちゃったりするのか？
B：しねえよ
A：じゃ、じゃあ、俺と一緒に人狼ゲームとか。
B：2人っきりでどうやって？ババ抜きの最後みたいになっちゃうだろ。
A：何言ってんだ。人狼ゲームは村人と人狼が同数になった時点で勝敗が決定する。
B：じゃあ役職決定の段階で終わりじゃねえか。
A：そうだけど。
B：もう黙ってろお前。

A：あー、暇だ。枕投げとかしたいな。
B：周りに迷惑だ。
A：たしかに。騒いだらタケセンが怒鳴り込んでくるって話だしな。「お前ら！！うるせえぞ！！！！」
B：はは
A：お前の方がうるせえよって具合らしい。
B：本当にその通りだな。
A：でも、そんなこと言ったらぶん殴られるもん。恐怖政治だぜ全く。
B：⋯
A：体罰なんてもう古いってーの。でも、PTAから苦情あったらしくてさ、当然だ、暴力は良くない。で、最近じゃ、あの鉄拳も鳴りを潜めてるって話だぜ。
B：お前さ。
A：何？

B：よく喋るよな。
A：え、褒め
B：てない。
A：俺のチャームポイントなのに。
B：こっちが止めなかったら一生しゃべくってんのかってこと。皮肉だ。
A：なんだよ、さっきからそんなに邪険にして。お前が選んだから俺と同室になったんだろ。自分の選択に責任を持て。
B：おれは、お前と同室になんて望んだことは今までの人生でたったの一度もない
A：なんでそういうこと言うんだよ。お前が望んだからこの部屋に居るんだろ。

B：確かに、俺はこの部屋を望んだ。角部屋で、窓から見える景色が素晴らしいなって思って選んださ。
A：ほら。
B：その部屋にお前が居ることは一切想定してなかった。
A：想定してなかったって、俺たちクラスメイトで。
B：景色のいい部屋を予約したら幽霊が居ることを、誰が想定できるんだ。

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