幸せのカタチ
幸せのカタチ
小町 (米部部長。米を愛する。黒髪ポニーテール・和服姿の日本女子。)
麦 (パン部部長。パンを愛する。洋風男子。いちいちキザ。)
ちゅる (麺部部長。麺類を愛するエセ中国人。でも本当は麺なら何でも好き。)
アイ (お菓子作りが趣味な平凡女子。)
友達 (運動部っぽい雰囲気の普通の子。)
先生
モブ (クラスメイト数名)
帰りの会の教室。生徒たちがザワザワしている。
先生 「じゃ、今日から仮入部期間になるから、みんな何部に入りたいかよく考えていけよ~。」
生徒たち「ハーイ」
先生 「じゃ、号令~」
生徒 「キリーツ、気をつけー、礼」「さようなら~」
生徒たち、思い思いに仮入部の部活に向かう。先輩が、「●●部へようこそ」と
かの看板を持って、後輩の勧誘に来る。それに乗る子がいたり。友達としゃべり
ながら、上手・下手にそれぞれはけて部活へ向かう。
友達 「ねぇねぇ、アイちゃん!何部見に行くか決めた⁉」
アイ 「まだ~」
友達 「じゃあさ、一緒にバスケ部行こうよ!先輩たち、身長高くてめっちゃかっこよかったよ!」
アイ 「パス~。運動部は無理だよ~。私運動めっちゃ苦手だし」
友達 「運動できなくても、かっこいい先輩とお近づきになれればいいじゃん!」
アイ 「ムリムリ、それに、部活はやっぱり自分の好きなことにしないと3年間続けられないって。」
友達 「ちぇー、つまんないのぉ~。アイちゃんは何部行きたいの?」
アイ 「お菓子作りは好きだけど、うちの学校、料理部とかないんだよねぇ…残念。部活は入らないで、うちでお菓子作ってようかなぁ~。」
友達 「アイちゃんの作るお菓子、ほんっとうに最高だもんね!去年のバレンタインデーにもらった…あれ、何だっけ?ガトリングチョコ?アレ、めっちゃ美味しかった!」
アイ 「ガトーショコラね。ニュアンスしか合ってないじゃんw」
友達 「あぁ、それそれ!じゃあ、アタシがバスケ部入ったら、差し入れで 作って持ってきてね!じゃ!(近くの子に)あ、ねぇねぇ!一緒にバスケ部行こうよぉ~…」(なんて声かけをしながら下手に退場)
アイ 「いってらっしゃ~い…」(周りを見渡す。もうほとんど皆部活に行ってしまっていて、周りは誰もいない)
「あれ、気づいたら誰もいないじゃん。…じゃ、私は帰ろーーっと…。」(帰り支度をする)
後ろ(上手)から、「米部」と書かれた看板を持った、和服に身を包んだ小町が登場。静かにアイに近づいて、
小町 「あの~~」
アイ 「うわっ!!…び、ビックリしたぁ~」
小町 「ご、ゴメンなさい、驚かすつもりじゃなかったんだけど…。君さ、米、好き?好きだよね、日本人だもんね。いや、もはや現在、日本だけでなく世界的にも米は皆に愛されるソウルフードだもんね。ね?」
アイ 「…へ?」
小町 「好きな米の銘柄は、やっぱり王道のコシヒカリ?それともアキタコマチ?いやいや、ササニシキも捨てがたいけど、やっぱりここは埼玉が誇るサイノカガヤキも捨てがたいというか…」
アイ 「ちょ、ちょ、ちょっと、ストーーーップ!」(小町の口を手で覆う)
小町 「ひゃひひゅるんひぇふは」(何するんですか、をモゴモゴいう。)
アイ 「ちょっと待って下さい、…あなたは誰ですか?」
小町 「あ、アタシ? あぁ、ゴメン、ついつい。アタシは米部の部長、小町。突然なんだけど、アイちゃん、米部に入部しませんか⁉」
アイ 「こ、米部⁉…そして、なぜ私の名前を⁉」
麦 (上手袖から)「それはだね、君が、帰宅部になりそうだという情報を、ある筋から聞いてるからだよ!」
小町 (上手の方を睨みながら)「こ、この声は!」
ちゅる (下手袖から)「コマッチャン、一人で抜けがけはズルイアルよ!」
小町 (下手の方も睨みながら)「あぁぁあ、こっちまで…」
麦・ちゅる「とぅっ!」(的な掛け声で、二人が上手・下手からそれぞれ登場。)
(二人とも、手には「パン部」「麺部」と書かれた看板を持っている。)
アイ 「な、何⁉なんかよくわからん人たちが増えた!」
麦 (アイの前で膝をついて、キザっぽく。上手側の手を取りながら)
「やぁ、可愛いお嬢さん。オレの名は麦。パン部の部長をしている。以後、お見知りおきを。(パンを差し出しながら)今の君は、このツイストパンのように気持ちが混乱しているようだね。でも安心して。オレと一緒に、パン部で、フランスパンのように固くまっすぐなパンへの愛を築いていこう。」
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