わたし舞台に立ちたいの
3人バージョン
「わたし舞台に立ちたいの」
【登場人物】3人
拓也(男性社員・マイペース)
明里(女性社員・明るくテンション高め)
春子(女性社員・落ち着いて論理的)
会社の会議室。椅子が3脚。下手、中央やや奥、上手にそれぞれ配置。
明転。
(明里、小走りでイン)
明里: やった、私が一番か。これは幸先いいぞ!
(春子、歩いてイン)
春子: すこーしだけ先に入ったからって何言ってるの。
さっきまで私が先歩いてたじゃないの。
突然走って抜かしておいて、調子に乗らないで。
明里: 相変わらず厳しいなー。ここまで一緒にプロジェクト進めてきた仲じゃないの。もっと優しくしてよー。
春子: やれやれ。ま、あんたとのチームも、今度の新製品アイデアコンペまでと思うと、寂しいような、ありがたいような・・
明里: うちのチームならプレゼン圧勝間違いなしだから、そのまま新チームの中心メンバーに揃って抜擢されちゃうかもよ〜
春子: あんたは楽観的すぎ。私はいつも最悪のパターンも想定して行動するようにしてるの。
明里: さすがです。お見それしました。
春子: 何?何か言いたいことでも・・・
(拓也、小走りでイン)
拓也: 間に合ったー!まだ打ち合わせ始まってないよね!?
明里: 始まってないよー
春子: じゃ、みんな揃ったことだし、ミーティング始めますか。
明里: プレゼン野郎Bチーム、始めますか!
春子: そのネーミングやめて、、、
明里: なんでー、いいじゃん!かっこいいじゃん!ね?
拓也: うーん、まあ、俺は好きだけどなー
春子: やめなさい、この子すぐ調子に乗るんだから!
明里: 調子になんて乗ってないわよー。でも団結力を高めるために、ネーミングは大切じゃない?
拓也: じゃあ、拓也と愉快な仲間たち!ってのは?
春子: 乗っかるんじゃない。しかも全然愉快じゃない
拓也: えー、じゃあ拓也と不愉快な仲間たち?
春子: そう言うことじゃない!
明里: 受けるwwでもさ、なんだかんだうちらって、いいチームワークだよね
春子: まあ、そこは否定しないけどさ
拓也: 俺たちも入社してもう3年、いつの間にか後輩もできて、頼れる先輩、って感じになっちゃったしなあ
明里: だよねえ
春子: あんたたちは頼りにならないけどね!
(明里&拓也:肩をすくめる)
拓也: って、ふざけてる場合じゃなかった、ミーティング、ちゃっちゃと始めますか。
(それぞれ着席)
拓也: それじゃ、みんな資料はあるかな
明里: はーい
春子: あるわよ。
拓也: じゃ、資料にあるように、われわれ新商品開発Bチームは、いよいよ来週のプレゼンでもって役割を終えることになります。ま、採用されれば、引き続きチーム存続する可能性はあるわけだけど、それは置いといて。とりあえず各自の進捗状況確認しとこうか。
明里: はいはーい。じゃあ私から。私の知り合いネットワークを駆使して収集した情報によると、やっぱり今回のプレゼンコンペ、審査員は吉柴社長と城田専務は確定みたい。石田常務が出るかどうか分からないけど、出てくるとなると、ちょっと審査は荒れそうだ、ってみんな言ってました!
拓也: なんで荒れそうなんだよ
春子: 石田常務はね、プレゼンの内容よりも、腹式呼吸や声量、滑舌にめちゃくちゃ厳しいという噂なのよ
拓也: 内容よりも!?
春子: そう。信じられないけど、どうやら本当らしい、、声が出てないと、「声小さいよー!」って言うらしい!しかもプレゼンの途中でも!
拓也: マジかよ、、、
明里: さすが、鬼の石田と呼ばれるだけのことはあるよね、、、
春子: 明里、拓也。あいうえおいうえおあ、、、、おあいうえ、って言える!?
明里&拓也: ええ!?(顔を見合わせて)せーの、あいうえおいうえおあ、、、おあいうえ!言えた!
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