ドラゴンストーンへの旅
緞帳上がる
※登場人物の性別は変更可能
舞台中央に2人の男(マイルとA)が立っていてその横には一人の男が倒れている。Aが足元のスーツケースを見てしゃがんでから
A「ぐへへ。ピヒヒ。ポヘヘのへ(気持ち悪い笑い方)この金は今から俺たちのものだ!2人で分けても中々の額だぞ」
マ「そうだな。」
A「しかし、あんまり言いたくないが、理不尽に命を奪うってのはお前の妹さんを殺した強盗も俺たちも大して変わらないよな」
倒れている男を見る
マ「金が目当てなのは一緒だが、あの強盗と俺たちはその目的が違う。アイツの息子。孤児になったあの子に俺が出来るのはこの金を全額贈ることくらいだ。お前は嫁さんだよな」
A「あぁ、これで手術ができる。やっとアイツが報われるんだ」
マイル拳銃を取り出しAに向ける。Aも咄嗟に向け返す。
マ「すまない。山分けは御免だ。」
同時に2つの銃声。A倒れる。
マイル呻き声を出しながら横腹を抱え、しゃがみ込む。パトカーのサイレンが聞こえる。
マ「くそ!!ここまで来て。絶対に捕まるものか!!」
暗転
舞台下手端の牢屋の中にマイルとコペルがいる。
コペルは本を読み、マイルは眠っている。小さな四角の窓から月明りが差し込み、マイルはその光で目を覚ます
マ「月の光で目覚めるとはなんてロマンチックな夜だ」
コ「ロマンチックってなーに?」
マ「初めての会話がこれか。うーんロマンチックの説明か。難しいな」
コ「そーなんだ」
マ「今日からお前のこの檻に入ってきたから俺が後輩ってこったな。マイルだ」握手するように手を出すがコペルは無視する。
コ「コペルだよ」
マ「お前人と話す時も本読むのか?そんなんだからさっきここに入ってきた時も喋りかけられなかった」
コ「物語が好きなんだ」
マ「お前子どもみたいなやつだな。なんでこんなとこにいる?」
コ「知らない。いつの間にかここにいた。この本も飽きたな」本を閉じる
マ「そうか、、よし!面白い物語を聞かせてやろう」
コ「どんな話?」
マ「フフ。俺がここに来るまでの話だ。お前、そうだな、、その、、ドラゴン、、ドラゴンストーンって知ってるか?」
コ「知らない」
マ「そうだろうな。ドラゴンストーンってのは世界のどこかにあって見つけると願いが叶うんだ」
コ「すごい!なんでも?」
マ「あぁどんなことでもだ。金なんかよりよっぽどすごいものだ。」
コ「なんでドラゴンストーンって名前なの?」
マ「え?それは、、そうだな、、ドラゴンが出てくるから?いや違う!その石はドラゴンの胆石なんじゃないか。いや、、尿路結石かもしれないな」
コ「よく分かんないや」マイル笑う
マ「それでいいだろう。これは俺がそのドラゴンストーンを見つけようとしたお話だ。」
暗転
舞台中央から上手にかけて荒野が広がる。(下手側には牢屋とコペルが残っているが照明は消えている。これからのシーンではコペルとマイルが会話するシーンだけここの照明がつく)
下手よりには緑の男が倒れている。上手からマイルがバイクを引いて出てくる。
マ「俺はドラゴンストーンを絶対に手に入れる。そして叶える野望があるんだ!」
コ「どんな野望なの?」
マ「え?あぁ、そうだな、、世界平和。理不尽に傷つく人がいなくなるように俺はドラゴンストーンの力で世界平和を叶えてみせるんだ。いいかコペル。人の力だけで世界平和なんて叶うわけが無いんだ。人が人として生きていくうえでそれぞれの欲求が衝突しあって争いが生まれる。だけどドラゴンストーンを使えば世界平和という理想の世界が生まれるんだ。そのために俺は過酷な旅路に出た。」再びバイクを引きながら歩く
マ「はぁ、はぁ、、、。あ?なんだアイツ!」
マイル、緑の男の方へ恐る恐る近づく。
マ「おいおいなんだよコレ。人じゃあ無いだろうけどよ。」
近くの木の枝でツンとつつく
カ「わぁ!」
マ「ワァ!!」
カ「良かった。人だ。」上体を起こす
カ「水。水を飲ませてくれ。」
マ「まぁ十分あるし、少しくらいやるよ。」
しゃがむ。水筒を開け、カッパの口へ。
カ「いや、あの、、口じゃなくて、ココ。」
頭の皿を指差す
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