雨の降る街
瀬戸山光子作
雨の降る街


登場人物

人々

全員白っぽい服
女以外は傘をさしている

舞台配置
素舞台で、舞台中央広めのサスの位置に傘が閉じた状態で一本置かれている






















BGMシューベルト「セレナーデ」ピアノ 
舞台全体がブルーにゆっくり明転する。
人々は傘を差して無言で舞台奥側を不規則に行きかう。
1分頃
舞台中央サスがつく。サスの中にたたまれた傘が置いてある。
2分頃
行きかう人たちの中に混じって、女が傘を差さず歩いてくる。髪が濡れている。
舞台奥中央で女は立ち止まり、舞台正面を見る。
ゆっくり歩いて、傘のある位置まで来る。

傘を手に取り、ジッと眺める。

3分頃
行きかう人々の中から、傘をさした一人が女に気づき、近づいてくる。
女の隣に立つ。傘をさした人は横を向いて女に話しかける。

人    こんにちは。
女    こんにちは?今は、昼間なんですか?
人    わかりません。いつも、ずっと同じ薄暗い光が差しているだけだから。
女    雨ですからね。
人    傘をささないんですか?
女    どうしてですか?
人    だって、雨ですから。ずぶ濡れじゃありませんか。
女    傘、さしていいんでしょうか?
人    みんな、さしてますよ。
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