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愛を着飾って

【愛を着飾って】
作:日向72

マネキンA
マネキンB
マネキンC
冬彦
柊
紗雪

※マネキンたちには衣装に合わせてあだ名つけてあげてください

柊:好きです、付き合ってください！！……好きだ、付き合ってくれ！……あいらぶゆー、プリーズおつきあいウィズミー！！…あぁ、どうしよう、そうこうしてるうちに時間が過ぎてくぅ…待ってろよ、愛しの未来の恋人！！(退場)

マネキンたち動き出す

A:いや、ダッサ…なにあれ、まさかあれで告白しようってんじゃないでしょうね、あの男。最後のプリーズおつきあいウィズミーって何？何周回ってもダサいよ。無理無理。
B:愛しの未来の恋人っていうのもなんか…あれだよね、古いっていうか…
C:あーーーあ！！リア充みな爆ぜればいいのに。俺はその火で暖を取る。
A:そんな都合いい温度で燃えてくれるかしら。
C: 寒すぎるんだよこのショーウィンドウ。暖房をつけろ。
B:マネキンに電気代食われるのはさすがに嫌だって。無理あるよ。分かるけどさぁ…
C:この時期になると急にリア充増えるのなんなの？どこもかしこもハート飛ばしちゃってさ、うえぇーーーっ
A:吐こうとしても無駄よ、私たち内臓ないんだから。
B:まぁ別にいいんじゃない？別にこっちに害があるわけじゃないしさ。むしろいいエンタメっていうかさ〜！あーいうの眺めるの、ドラマ見てるみたいで結構楽しいけど。
C:楽しくなんかない！人様の甘ったるい恋愛見るくらいならそこにいるクモでも観察してた方がまだ有意義。あ、でも、道端でちっちゃい雪うさぎ作ってたり、友達と雪合戦してたり、はたまた白い息を弾ませながら「このお洋服かわいい〜！」って目をキラキラさせてこちらを覗いているロリを見守るのはとても楽しい。
A:妙に具体的なの辞めてほしいかな
B:もしもしポリスメン
C:はーーっはっは！残念だったな！マネキンは治外法権だから合法なんすわ！！
A:腕もぎ取るわよ
C:ごめんなさい
A:まぁでもほんっと暇よね、マネキンって。それこそ人の恋愛見てるくらいしかやることないし。
C:あとロリ
A:黙れ。それに特に面白い展開しないのよね。なんていうかこう…「付き合ってください！」「いいよ！」でハッピーエンドか「付き合ってください！」「ごめんなさい！」でゲームオーバーかの2択じゃない。良い加減飽きてくるってものよね。もうちょっとこう、拗れた恋愛が見たい。
C:うげぇ、1番嫌だよ
B:拗れたって、たとえば？
A:そうね、まぁ王道だけど…追われてる魔女がいるとするでしょ
B:いないよ？

紗雪と柊が走り込んでくる。マネキンたち固まる。

柊:待ってよー！！俺の愛しの美魔女さーーん

そのまま2人は退場。マネキンはまた動き出す。

B:…続けて。
A:で、その女にある男が一目惚れして駆け落ちするの。それでしばらく2人は愛に溢れた幸せな生活をするんだけど、女は政府に脅されて男を売るわけ。で男が死んだのを後々酷く嘆いた彼女は毒を飲んで時差心中。
C:知らない四字熟語出てきたんだけど。
B:うん、やっぱなさそうだね。

紗雪が走って登場
マネキンたち固まる
マネキンを見て店内へ入ってくる(下手側へ移動)
SE 入店音(カランコロン)
冬彦が登場

冬彦:いらっしゃいま…せ。
紗雪:あの、表のショーウィンドウの…あのマネキンが着てる上着が欲しいんですけど
冬彦:…え？あぁ、あれですか。いいですよ。ちょっと待ってくださいね

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