そして夜は明ける
“そして夜は明ける”


  ユズキ
  ヒロ

  アカツキ
  レイミ

  ミタラシ
  イソベ

  リサ
  ケイビ
  トミ
  ちびユズ






1 プロローグ
         時を刻んでいる音がする。

         今がいつだかは不明だが、ここは研究所の保管庫である。

         タイムマシンが置いてある。
         その前、床で胡坐をかいているのはヒロ。
         ペンを片手に、一枚の白い紙と睨み合い、首を傾げて止まっている。
         『考えるヒロ』の図。

         やがて何か思いついたのか、さらっとその紙にペンを走らせる。
         立ち上がって、読み返す。
         どうやら納得がいっているらしい。

ヒロ   ・・・さぁて・・・。

         ヒロはタイムマシンを見上げる。

ヒロ   いきましょうか。

         その顔はとても笑っている。
         生き生きと、嬉しそうで、幸せそうで、ワクワクしている。
         例えるなら、最高の悪戯を思いついた子供のように。

         暗転。






ユズキ  (声のみ)親愛なるヒロ博士。
     過去の人間に手紙を送るなんて、科学者として失格なのかもしれません。
     でも、どうしても送りたくなったんです。
     未来に関することは何も書きません。
     あなたが読みたくなかったら、読まずに捨ててしまってもいいんです。
     そもそも、本当にあなたのもとへ届くのかもわからない手紙です。
     だからほんの少しだけ、いいでしょう?
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