12月のパピヨン
(登場人物)
①柳涼介(やなぎりょうすけ)20代。大企業ヤナギセーフティグループの跡取り。クセ強め。

②石川創(いしかわはじめ)誘拐犯。20代。人生に嫌気がさして単独で誘拐を計画。色々と抜けている性格。

③中野リナ(なかのりな)20代。元ヤンで涼介の婚約者(婚約指輪着用)誘拐犯に人質にとられた。

舞台は 誘拐犯の創の部屋と涼介の部屋を半分にするような感じで。
脚本中に出てくる小道具以外、部屋のセットはお任せします。3人の服装もご自由に。

開演

真っ暗な舞台に鳴り響くスマホの着信。
涼介側 照明オン。
 
涼介 駆け足で登場。

涼介「はいはいはいはい。」

テーブルの上に置いてあるスマホを取る。

涼介「非通知….?」

少し怪しんでから 電話に出る。

涼介「……もしもし。」

創の声。

創「ーー柳涼介だな。」
涼介「……そうだけど…あんた、誰?」
創「よく聞け。お前の大切な婚約者 中野リナは我々が預かった。」
涼介「預かった?」
創「そう。つまり、誘拐したのさ。」

涼介「誘拐?!」

創側の照明 オン。
リナ ロープで手足を縛られている。

リナ「涼介、助けてーー!犯人はひとりだからー!」
涼介「リ、リナ!!」
創「この女、勝手に喋んじゃねえ!」

創 リナに向かって威嚇する。

リナ「きゃっ!」
創「おい、乱暴はやめてくれ!….あと何で人質の口にガムテープを貼ってないの?!基本中の基本じゃない?!」
創「あっ、やべ、ほんとだ…。(ガムテープを探す素振り)ああ、もう!んなことは、どうでもいいんだよ!今の彼女の悲鳴を聞いただろう。どういうことか分かったよな?」
涼介「さっき我々って言っていたけど、実は単独犯ってことですか?」
創「う、うるせえ!いいか、人質を無事に解放して欲しければ今から24時間以内に金を用意するんだ。」
涼介「に、24時間以内だって!?」 
創「そうだ。身代金は….1億。」
涼介「い、1億だって?!」
創「お前、あの大企業『ヤナギセーフティグループ』の跡取り息子だろ。1億くらい、痛くも痒くもないよな。」  
涼介「い、痛くも痒くもないだって!?」
創「……なんかイチイチうるさくないか。」
涼介「すみません。誘拐なんて初めてだから、つい興奮しちゃって。」
創「舐めとんのか!まだ自分の置かれてる状況が分かってねえようだな!?」
涼介「いえ、分かっています。1億払わなければ、リナの命はないってことですよね。」
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