偽物とレプリカ(一人劇バージョン)
にせ物とレプリカ
人物
サクラ
1
サクラの家
スマホの通知音
「“おはよう。今日は何するの?”か…。今日は何しようかな~。」
チャイムの音
「ん、なんだろう?なんも買ってないしな。」
「はーい。」
玄関を開ける
「は?」
場転
2
通話中
「いやだから、いるんだって目の前に!死んだユキが!」
「いやいやいや、寝ぼけてないし、熱もないって!いたって正常!」
「え、サービス?なんの?うんうん、分かった。ちょっと調べてみる。」
「“故人をAIで可能な限り再現し、ご家族や恋人、ご友人に心の整理を“
ふーん、こんなサービスあるんだ。誰が頼んだんだろう。」
「スマホで設定すればいいのかな…。」
「どれも違う感じがする…。近いのもないし、んー。あ、そうだ。」
「お、動いた。」
「うん、おはよう。」
3
「ユキ、何かしたいことないの?」
「え、私?んー。じゃあさ、勉強教えてよ。」
「学校?今日は休みだよ。」
「ああ、制服ね。楽じゃん?考えなくていいし、いいかなぁって。
まあ、恰好なんてどうでもいいじゃん。最近、勉強さぼってたからさ。
英語教えてよ。」
「今のユキは、レプリカだけどさ、本物なの?」
「いや、うん。そうだね。コピーだもんね。」
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