成仏したいのです
美穂「だーかーらー、やんなくていいって言ってんじゃん!あたしもう社会人だよ?それぐらいできるってば」
ありさ「そう言ってゴミ屋敷を放置してたのはどこの誰?どーせ自分では片付けないでしょ。せっかくのお休みを美穂の汚部屋掃除に使ってあげてるんだから、いい加減反省しなさいよ!」
美穂「はいはいありがとうございますありささま〜。っていうか、あんたの休みなんかそんな貴重じゃないよね?」
ありさ「・・・そんなことないよ?」
美穂「嘘つけ!あんたが忙しそ〜に調べ回ってんの見たことないんだけど。あーあ、探偵は残業なくていいなー」
ありさ「・・・うるさいなぁ・・・。でもさ、美穂は働き過ぎだよ。ちょっとくらいは休んだら?死んじゃうよ?」
美穂「仕方ないじゃん。あのキンキンした叫び声毎日聞いてみろ。頭おかしくなるわ。それでも気づいたら出勤してるんだから、習慣って怖いよね・・・どうにかしてストレス解消してかないとやってらんねぇよ」
ありさ「確かにスマブラやってるときの美穂ってまじで狂気じみてるよね。『ぎゃっは〜〜〜ぶっ飛んだぶっ飛んだヒヒヒパワーイズサイコー!フウぅぅぅぅぅ!』って言いながらスマッシュブンブンしてるもんね」
美穂「パワーは正義」
二人『あははははは』
美穂、なにかに気づいて振り返る。
ありさ「…美穂、どうしたの?」
美穂「…んーん、なんでもない」
ありさ「そっか。じゃああの強烈な魔窟を攻略しに行きますか!」
美穂「まぁまぁまぁ、今日はいいじゃんか。ほら、もう暗くなってきたしさ。魔窟はあたしが攻略しとくからさ。ほら、鍋の材料とか買ってきてよ」
ありさ「あんな汚い部屋でご飯食べたくないよ!観念しなさい!」
美穂「うへぇ…」
〜美穂の部屋〜
ありさ「うわぁ汚い!なんか前に来たときよりもゴミ袋積み重なってない?普段どこで寝てるの?」
美穂「仕方ないじゃん!こちとらクソ上司と三連続で出張いったんだぜ?しかも
お泊りのやつ!ゴミ出しにまで手が回らないんだよ」
ありさ「でもスマブラする時間はあるんだよね?」
美穂「プリキュア見たりラノべ読んだりする時間もあるな」
ありさ「片付けしなよその時間でさ!ほら、いい加減やるよ!」
美穂「へいへーい。じゃあ片付けする余裕のある暇人・・・じゃなかった探偵さん、今日はよろしくお願いしまーす」
ありさ「・・・聞こえてるからね?」
美穂「何でもないでーす。でもさ、あたしの部屋が物で溢れかえってるのってあんたのせいでもあると思うんだよね。」
ありさ「ええ?私は片付け得意だし、美穂の部屋が汚いのは美穂の自業自得でしょ。そのものを捨てられないクセなんとかしなさい」
美穂「いやいやよーーーく考えて?あたしの棚に詰め込まれ…じゃなくてきれいに並べられてるものは何?」
ありさ「私が持ってきた〇〇グッズ」
美穂「でしょ?あたし興味ないのにあんたが勝手に持ってきたやつだよね?つまりあんたのせいだよね?」
ありさ「いやそれはさ…。ちょっと待って?詰め込んだって?…はぁ?ふざけんじゃねぇよ!」
美穂「だって、スペースないんだもん…」
ありさ「はぁ…。よし決めた。あの子達のためにも、一回この部屋すっからかんにしよう」
美穂「ちょっと待って待って…あのう、ガチじゃないっすよね?せめて床が見えるくらいには片付けようかなと思ってるけどさ。」
ありさ「まぁそのくらいで許して上げるよ。美穂の意見も聞かず大量のグッズ渡したのはちょっと申し訳なかったかもね」
美穂「反省したまえ」
ありさ「この惨状を作ったあなたがね。ほら、片付け始めるよ」
美穂「うへぇ…」
電話がなる
美穂「はぁ…こんな時間に電話とか…」
ありさ「まぁまぁ、緊急の連絡かもしれないし。ちゃんと出な」
美穂、スマホを取る
美穂「はい前川です。熊澤さんお疲れ様です。今日はどうされました?…あぁ、明日の会議の資料ですね。少しお待ち下さい…えぇすみません。まだ完成してなくて。明日の朝までには送信できるかと思います。はい。報告書は出来上がっていますので今日の昼に送ってありますよ。では失礼しまーす」
美穂、スマホを置く
美穂「ふざっけんじゃねえよこんな時間に電話かけてくんなよこちとらやっと片付けする気になったってのに」
ありさ「大丈夫?今からやらなきゃいけないなら私一人で片付け始めるよ?」
美穂「いや、もういいよ。てか自分の発表資料くらい自分でやれよ。てめぇがやらなくて誰がやる!お前あたしが入社するまでどうしてたんだよ。脳筋なんか?人じゃなくて熊なんか?熊澤さんよぉ…あァァァパソコン見たくないよぉ」
ありさ「ほらほら片付けしよ?忘れちゃお?」
美穂「もういいって!やりたくないもーん!寝まーす!」
美穂、床に寝転ぶ
ありさ「いやいやいやなんでよ!起きなっさいって。てかご飯食べてないじゃん!」
美穂「いいもーん。ぐうぐう…すやすや…(明らかに寝たふり)」
ありさ「仕方ないなぁ…はぁ、明日は心を鬼にして片付けしよ」
ありさ、床に寝転ぶ 以下美穂→優子
優子「そこのあなた!起きなさい!いつまで寝ているんですの?」
ありさ「ん?美穂どうしたの?」
優子「誰のことですの?意味わからないこと言ってないで、早く起きなさい!こんなゴミ捨て場よりも汚らしい部屋でわたくしを待たせるなんていい度胸ですわね。」
ありさ「どうした?仕事のストレスでおかしくなった?ですわとか最高に似合わないんだけど」
優子「なんですって?このわたくしに悪口を言うなんて…お父様に言いつけてやりますわ!…あぁそうでした。お父様はもう、いらっしゃらないんでしたわね」
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