贋作「よだかの星」
贋作「よだかの星」

登場人物 ※男女は任意で変えてください。
語り/たか
よだか
シマエナガ(シマ)
はちすずめ(はち)
アンサンブル(いなくても成り立つように書きましたが、森の鳥たちや星々などが目に見える形で存在するほうがよだかをよりよだからしくできると思います。そのさい、語りの台詞を分割してアンサンブルに割り振ってもOKです)

注1:コンクール、文化祭の名前、○○公演、など自由に変更してください。
注2:別のネタに差し替えてもらって構いません。


序幕  全員=よだかを除く


語り  よだかは、じつにみにくい鳥です。
シマ  かおは、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、
はち  くちばしは、ひらたくて、耳までさけています
語り  他の鳥は、もう、よだかのかおを見ただけでも、イヤになってしまうという具合でした。
    さぁさぁ始まってまいりました文化祭後夜祭(注1)、宴もたけなわと言ったところでしょうか皆さん盛り上がってますか!!!……盛りあがって、らっしゃらない?あ、そんなことない?ああ、公演中だから?みなさまマナーがしっかりしていらっしゃる……たいへん結構なことでございます、ええ、ええ、それはもう。ところでみなさま、宮沢賢治の『よだかの星』、ご存じでいらっしゃいますでしょうか、ご存じだよーって方、ハイ、ありがとうございますぅ、話題の急ハンドル事故待ったなしでお届けしておりますけれども、ハンドルと言えば、ああ、これなら。『銀河鉄道の夜』なら知ってるよーって方、ハイ、ありがとうございますぅ、中学のときに『やまなし』やったよーって方、あの、ね、クラムボンがカプカプ笑うやつ、ハイ、ありがとうございます、今回公演させていただくのは今あげたおはなし、『銀河鉄道の夜』『やまなし』を書いた文豪宮沢賢治の短編、『よだかの星』。の、贋作でございます。贋作、皆さま言葉をご存じでしょうか、今風にいうなればそう、
全員  パクリ
語り  ご唱和くださいパクリ!
全員  パクリ!
語り  パクリ!
全員  パクリ!
語り  時代は令和表現の飽和時代毎日どこかで
全員  めーらめら!
語り  訴訟炎上学級会
全員  めーらめらったらめーらめら!
語り  皆さん一緒に
全員  めーらめら!
語り  どんどん燃えるよ
全員  めーらめら!
シマ  あ!!
全員  あ?
シマ  燃えてる……
全員  真っ赤に燃えて、めーらめら!!
シマ  違う!青だ!!
全員  青?
シマ  青くしずかに、燃えるあれは……
語り  ――― よだかは、実にみにくい鳥です。


第一幕 邂逅


シマ  ここ、どこ?なんだかすごく暑い。
語り  シマエナガは、実に愛らしい鳥です。
シマ  みち間違えた……?
語り  生息地は北海道以北、本州にみられるのは迷い鳥のみです。迷子の迷子のシマエナガちゃんです。
シマ  いや、まちがってない。私はまちがってない。ついでに可愛い。オッケー、行こう。
よだか (星めぐりの歌をうたっている)
    あかいめだまのさそり
    (手に持ったくつをごつごつと地面に叩きつける)
    ひろげたわしのつばさ
    (念入りに汚れを確認)
    あをいめだまのこいぬ
    (くつをはく)
    ひかりのへびのとぐろ
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