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変人小説家と変態小説家

「変人小説家と変態小説家」
　　　　　　　　作　菅原悠人

〇登場人物
　西野舞（にしのまい）…カフェの店員
　東啓介（ひがしけいすけ）…小説家
　斉藤和美（さいとうかずみ）…東の担当
　恵子（けいこ）…カフェの常連。
　広子（ひろこ）…恵子の娘。

〇カフェ
　下手側にキッチンがある。
　舞台中央付近に席が２つある。
　キッチンで西野が作業している。
　東は席でパソコンを開いている。

西野　お代わりいかがですか？
東　　え？
西野　お代わり、いかがですか？無料ですよ。
東　　コーヒーが？
西野　はい。いかがですか？
東　　じゃあ。
西野　かしこまりました。

　西野はキッチンに戻る。
　鈴の音。
　恵子が上手から入る。

西野　いらっしゃいませ。あ、恵子さん。
恵子　ああ、もう最悪。
西野　どうしました？
恵子　いやもう、雨が凄くて凄くて。ここ来るだけでやっと。
西野　最近凄いですよね。しばらく降り続くみたいですよ。
恵子　もう。

　恵子は傘に付いた水滴を落とす。
　それが東にかかる。

恵子　あ、ごめんなさいね。
東　　いえ。
西野　預かりますよ。
恵子　ありがとう。

　恵子は傘を西野に預ける。

西野　温かいものでもどうですか？
恵子　じゃあ、ホットコーヒー頂戴。
西野　少々お待ちくださいね。
恵子　待って！
西野　はい？
恵子　やっぱり紅茶。
西野　紅茶ですね。
恵子　待って！やっぱりココア？いや、ここはレモンティ？紅茶もいいし。
西野　ホットチョコレートも作れますよ。
恵子　やっぱり、ホットコーヒーで。
西野　かしこまりました。ホットコーヒーとココアとレモンティと紅茶。
　　　あとホットチョコレートですね。
恵子　え、いや。ホットコーヒーで。
西野　かしこまりました。ホットコーヒーだけですね。

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