放課後ラジオ部
放課後ラジオ部

原案 岡田航介 脚本 新堀浩司

人物
佐野健太郎(さの けんたろう) 高校2年生 放送部部長
園崎菜摘(そのざき なつみ) 高校2年生 放送部副部長
砂川ありさ(すなかわ ありさ) 高校2年生 放送部員
世良由美香(せら ゆみか) 高校1年生 放送部の新入部員
志島清子(しじま せいこ) 教員 放送部顧問

開演直前。佐野の声でアナウンスが流れる。

佐野「えー、皆さま。本日はご来場ありがとうございます。これからビビットでマーベラスな物語が始まるわけですが、開演前にいくつか注意事項があります。まず一つ。演出の妨げになりますので上演中は携帯電話の電源をお切りください。2つ目。上演時間は約30分です。途中休憩はありませんので、ご了承ください。3つ目。許可のない写真撮影やビデオ撮影も禁止です。どうしても撮りたい人は終演後に役者を捕まえて許可を取った上で撮ってください。さて、そんな話をしているうちに(お時間になりました)」

そこに、佐野が登場。ラジオの音声の最後と佐野の肉声がシンクロする。

佐野「お時間になりました!放課後ラジオ、はじまります!今日のオープニングはこの曲から。ザ・ブルーハーツで終わらない歌」

音楽。佐野が舞台上に放送室をつくっていく。続いて園崎菜摘が登場。佐野の向かいに 座る。音楽アウト。
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園崎「続いてのお便りです。時間的にこれが最後かな。ラジオネーム「デオキシリボ格さん」からのお便りです」
佐野「佐野さん、園崎さんこんにちわ。こんにちわー!いつも楽しく聴いてます。ありがとー!お二人に質問です。好きな食べ物は何ですか?そうだねー。俺はね、すき焼きかな。菜摘は?」
園崎「シメサバかな」
佐野「渋いねー。と、いうわけでそろそろお時間です。今日も沢山のメールありがとう。引き続き大募集です」
園崎「次回のトークテーマは、最近爆笑した話です。テーマ以外のふつおたも募集してます」
佐野「お相手は私、佐野健太郎と」
園崎「園崎菜摘でした」
佐野「またお会いしましょうー!」

放送室から出てくる佐野と園崎。オンエア中と比べると心なしか元気がない。

園崎「お疲れ」
佐野「なあ、菜摘」
園崎「ん?」
佐野「このラジオ、聴いてる人いるのかなあ」
園崎「やめようよ、そういうこと言うの」
佐野「だってさあ、結構長くやってるけどさあ。全然反応がないって言うかさあ」
園崎「まあ、そうだけど」
佐野「やっぱり放課後って言うのがなあ。みんな帰っちゃうし、帰らないで部活やってる奴は聞かないしさあ」
園崎「ぐちぐち言ってもしょうがないでしょ」
佐野「でもさあ」
園崎「あのさ。文句言いたいのは私の方なんだけど?毎日読んでるメール。誰が書いてると思ってるの?」
佐野「菜摘さんです」
園崎「そうよ。全部私が書いてるのよ。しょうがないよね。今までに一度もメールきたことないんだもん。自分で書いた質問に自分で答える虚しさ、わかる?『いつも聴いてます』ってでまかせを書いてる悲しさがわかる?」
佐野「分かった、分かったよ。それにしてもどうしてメールこないのかなあ」
園崎「ツイッターで募集はしてるんだけどね」
佐野「今はXだよ」
園崎「うざっ」
佐野(スマホを操作して)「一通くらいは・・・あれ?メッセージ来てる」
園崎「嘘」
佐野「ついにお便り第1号か?」
園崎「やったね」
佐野「初めまして。急なメッセージごめんなさい」
園崎「そんなことないよ」
佐野「私の大胆な画像を見たかったら、URLにアクセスしてね・・・」
園崎「・・・迷惑メール」
佐野「こんなに腹の立つ迷惑メールは初めてだ。ふざけやがって。何が大胆な画像だ・・・どのくらい大胆なんだろうな・・・いてっ」

園崎、佐野の頭を叩く。
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