スウィッチ/チェンジ/アイデンティティ
開幕 ライトオープン
装置 大黒幕をフルクローズ
舞台中央に正四角形に平台
舞台上手及び下手には、パイプ椅子を並べる。
椅子の上には、この後の舞台で使う衣装・小道具などを置く。
照明 中央平台部分 広めにサス
椅子にかかる部分は常に薄暗く
音響 和楽器の音
役者 平台上 白いオーガンジーを羽織った女が2人。手には鈴。(音響でもいい)
左右対称に、オーガンジーを大きく振りながら舞う。神楽舞のイメージ。
その後、中央に向かっていき、交差する。布、広げる
平台下 パイプ椅子には常に何人か座っている。
パイプ椅子があるところは、舞台裏が見えるアクティングスペース扱い。
このスペースがあることで「自分ではない誰かを演じる」「互いに騙し合っている」ことを暗示する。
役者 エクス登場
大きく広げたオーガンジーの交差する後ろから登場。進み出て、膝をつく。
巫女は、交差したらまっすぐ平台を降りる。鈴は鳴らし続ける。セリフの間に。
エクス これは? 頭が
役者 エクス、頭を抱えて穿る
モブ、鈴を鳴らす
鈴の音に合わせて、未知子登場
後ろから、エクスの両肩に手を置く(怖いくらい優しく)
未知子 比呂彦? 何か、思い出した?
エクス いいえ、何も
未知子 そう
エクス すみません、頭が痛くて
未知子 比呂彦
エクス なにも、思い出せないんです
照明 全体明るく
同時に未知子、エクスの両肩を強めにバシバシ叩く
未知子 ま、そりゃそうよ!
エクス 痛ッ!
未知子 急に、「これが、村の伝統の舞です」なんて見せられても、思い出せないものは、思い出せないわよね
エクス 痛っ……ちょっと、力が…痛ッ!
未知子 気にしちゃだめよ、比呂彦!
エクス 未知子さん! ……ちょっと、強い!
未知子 未知子「さん」だなんて、そんな!
エクス あ……すみません
未知子 ちょっと照れるじゃなーい!
エクス 痛ッ!
未知子 母親の、私の顔も思い出せないんでしょ?
エクス 申し訳ない
未知子 仕方ない(微笑む)仕方ないわ!
エクス 未知子さん
未知子 ほら! みんなも、もう戻ってきて〜
役者 ガヤガヤと動きだす。独特の訛りがある。
村人ア、イ、ウ登場
村人イ 未知子さん! 比呂さま! どがでしたか、私の伝統舞!
エクス えっと
村人ア 比呂さまも、これを観ればきっと
村人イ 私の腰使いに、メロメロでしょう?
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