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あのご時世から来た男

あのご時世から来た男

登場人物

エーコ　…　山奥のバス停でバスを待つバス待ち人

ケーコ　…　エーコの同行者

山田　太郎　…　山奥のバス停に現れた男

風呂畑　粘三郎　…　刑事を名乗る男

第一場

　山奥のひなびたバス停。バス停横には極めて簡易な待合室が建てられている。
しばらくして、マスク姿のエーコとケーコが登場。エーコが時刻表を覗き込む。

ケーコ　　どう？

エーコ　　…駄目。さっき出たばっかりみたい。

　　ため息をついて落胆するエーコ

ケーコ　　でも、道路が混んで遅れてたら、ココに来るのも遅れてるかも…

エーコ　　こんな田舎の山奥の道路が渋滞すると思う？むしろ時間より早く着いちゃって、暇
を持て余しながら定刻通りに出たでしょう。

ケーコ　　次のバスは？

エーコ　　…一時間半くらい先。まあ、こういう場所にしては短いスパンじゃない？

ケーコ　　歩いて行けないかな？

エーコ　　いや、やめとこうよ。ここでバスに乗った方が早いよ、たぶん。

ケーコ　　…ごめんね、私がもたもたしていたから。

エーコ　　謝ることないよ。色々トラブルが重なっちゃったからね。それよりも調子はどう？気
分が悪くなったりしてない？

ケーコ　　うん、大丈夫。

エーコ　　まあ、ずっとバタバタしていたし、ここで少しくらいゆっくりしようか。

ケーコ　　そうだね…

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