一番の後悔
センリ:高校生。過去に囚われ、引きこもっている。
クラン:センリのかつての親友。事故により亡くなる。
ミズキ:高校生。センリとクランの共通の友人であり、センリを心配している。
キカ:センリの前に現れた少女。過去に戻す不思議な力を持つ。
母:センリの母。

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センリ「私は生きている。」
クラン「拭いきれない闇を抱えたまま。」
センリ「私は生きている。」
ミズキ「痛ましい過去を引きずったまま。」
センリ「私は生きている。」
キカ「あの人がいない世界で。」
センリ「今日も私は生きている。」

  センリの部屋。暗く、散らかっている。外から母が話しかける。

母「センリ。起きてる?」
センリ「……。」
母「朝ご飯、置いておくからね。」
センリ「……。」
母「あと、ミズキちゃんが来てくれたよ。どうする?」
センリ「……行かない。」
母「……そう。」

母「ごめんなさいね。いつも来てくれるのに。」
ミズキ「いえ、大丈夫です。こちらこそ、毎日押しかけてしまってすみません。」
母「そんな。むしろありがたいのよ。ずっと変わらずにあの子と友達でいてくれることが。」
ミズキ「はい。私は、いつだってセンリの友達です。そばにいたいと思います。センリにも、伝わってるといいんですけど。」
母「きっと大丈夫よ。学校、気をつけて行ってらっしゃい。」
ミズキ「はい、お邪魔しました。」

センリ「……ごめんなさい。お母さん、ちゃんと学校に通えなくてごめんなさい。いい子 じゃなくて、ごめんなさい。ミズキ、心配かけてごめんなさい。迷惑かけて、ごめんなさ い。」

センリ「クラン……。ごめんなさい……。」

  暗転。過去の回想。

クラン「ねぇねぇ二人共。高校どこにするの?」
ミズキ「私は第一高校。」
センリ「私も。」
クラン「本当!? 実は私も同じ!」
センリ「え〜クランの学力で合格できるかな〜?」
クラン「失礼な! 私だってやればできるんだよ!」
センリ「本当かな〜」
クラン「本当だもん!」
ミズキ「まあまあ。三人で一緒に同じ高校通えたら良いね。」
センリ「そうだね。」
クラン「だね!」
ミズキ「じゃあ勉強頑張りますか!」
クラン「ごめん、二人共。」
センリ「え?」
クラン「今日のテストって範囲どこ?」
センリ「はぁ!? そんなんで本当に大丈夫なの?」
クラン「大丈夫! ……多分。」
センリ「全くしっかりしてよね。」
ミズキ「(テキストを見せて)ほら、ここからここまでだよ。」
クラン「ありがとう!」
センリ「さてはノー勉で挑もうとしてたな?」
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