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ウーバーイーツデス

ウーバーイーツデス

男① 部屋の持ち主
男② 侵入者
男③ 配達員

　男①の部屋、料理をしている
　インターホンが鳴る

男①：なんだよ、ご飯がちょうど出来上がるってのに…ちょっと待ってくださーい

　上手にはける

　上手から男②がズンズン入ってくる
　男①も慌てて追いかけてくる

男①：全然知らない人だ！　全然知らない人だった！！　ちょっとちょっとちょっと！

　男②そのまま下手(ベランダ)にはけようとする

男①：待て待て待て待て！！！！

　男①、男②を引き留める

男②：何するんですか？！
男①：何してるんですか！？！？
男②：ベランダから飛び降りようと…
男：絶対にやめてくれない！？　なんで知らない人の死に場所にうちの部屋が選ばれてるんだよ！
男：ちょうど死ねそうな高さだったから…
男：じゃあ屋上に行けよ！　何日和ってんだよ！　日和ってんだよじゃねえよ、死ぬなよ！
男②：どうして初対面の人にそんなこと言われなきゃいけないんですか！
男①：どうして初対面の人が自分ちから死ぬところ黙って見てなきゃいけないんですか！？
男②：離してください、もううんざりなんです！どうせ何もかもうまくいかないなら死んだ方がマシだ！
男①：その考えは別に否定しないからうちで死ぬのを考え直してくれない！？

　インターホンが鳴る

男②：来た！
男①：来たって何！？　何を呼んだの！？

　男③上手から勝手に入ってくる

男③：どうも〜ウーバーイーツデス
男①：ウーバーイーツ？　いや頼んでないです。
男②：僕が頼みました
男①：いやいつ頼んだんだよ、最後の晩餐か？
男③：あ、ウーバーイーツじゃなくて、「ウーバーイーツ・デス」です。
男①：「ウーバーイーツ・デス」？？？
男③：まあ平たく言えば殺し屋ですね。
男：殺し屋ぁ！？
男③：いやもう流石に暗殺とかそういうのは流行ってないんで、自殺したい人に死をお届けするみたいな？　ウーバーイーツの感覚で頼んでもらえることが多いんで
男①：「死神」の最もポップな表現だ
男③：それで、えーっと、ご注文いただいたのは
男②：あ、私です。
男①：なんでうち来る前からそんなもん頼んでんだ
男②：死ねなかった時の保険にね
男①：死への準備が用意周到すぎる
男③：えー今回ご希望の殺害方法などございますか？
男②：あ、特にないです。死ねれば。
男③：となりますと、ナイフによる刺殺やロープなどでの絞殺がございます。お値段は安いですが時間がかかる上、それなりに痛みが伴います。

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