集団
（未上演短編）
集団
人 １０人程度。多ければ多い程良い。
旗振り 青と赤の旗を持っている。（別に色は相克するのであればよい白と黒のように）
舞台上を人が密集して歩きまわっている。
暫く旗振りは旗を降ろしたまま微動だにしない。
集団は時として立ち止まったり、分裂したり、独自に行動している。
但し、決して一人にはならない。
また人数に対し過度の分裂もしない。
(例、１０人の場合、最大３グループ程が望ましい)
暫し分裂と集合を繰り返した後、旗振りが動き出す。
旗振りが送るサインに集団は従い時に規律正しく、時に滑稽に動く。
幾度か繰り返した後、その指示に従わない者が現れる。（一人）
やがて従わない者、脱落者は増えていく。
いつしか旗振りの指示は機能しなくなる。
旗振りはいつしか指示を与える事を諦める。
人は笑いだす。
旗振りは一人を選歩き出しゆっくりと近づいていく。
凶器で選んだ人を惨殺する。
声なく笑う旗振り。
怯える人達。
旗振りは何事もなかったように定位置に戻り指示を出す。
指示に従う人々。
やがて旗振りの指示は早くなり、脱落者が出始める。
旗振りは容赦なく脱落者を惨殺し続ける。
幾度か繰り返すうちに人は残らず旗振りに始末される。
旗振りは途方に暮れる。
旗振りはある事に気がつき笑いながら客席の客を目指す。
旗振り 服従か、それとも。
凶器を客に向ける旗振り。
旗振りの笑い声とともに舞台は暗転する。
完
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