黒猫と雨傘
[ 黒猫と雨傘 ]
 ※ 本作は「季刊 高校演劇」のNO.205に掲載していただいた私の初のオリジナル脚本を、現代でも使えるように手直ししたものです。
 ※ 文中の固有名詞や本・アニメに関連する部分は、自由に変えてかまいません。

主な登場人物
* レイ :(川上 玲子)高校 2年 文芸部 川上玲子 
* ミチル:高校 2年 文芸部 アニメオタク。※どのアニメに凝っているかはその時の流行でOK.
* 琴音 :(岸 琴音) 上記二人のクラスメートで文芸部の新加入者   
* ヒロコ:(有吉 弘子)高校 3年 文芸部部長 
* 堀田 :文芸部顧問 頼りないが人はいい。犬フェチで猫が苦手。 
      ※セリフを多少変えて男性が演じることも可能
  
・ 同級生A・B・C・D:声のみなので録音で可。
・ 子猫 :イメージでよい。必要とあれば、ぬいぐるみか何かを代用しても良い。


【場所】廃部寸前の文芸部の部室。机と椅子が若干数、ダンボール箱いくつか、本数冊が見える。
【主な小道具】雨傘  タオル数枚  牛乳瓶1本  皿1枚  ペットボトル 1本 新聞紙 スマホ
 ※数は場面に応じて

*  *  *  *  *

 幕は閉じたまま。

<舞台の下手よりにサス>

 サスのライトに大きめの箱とその上に差しかけられた女ものの傘が浮かび上がる。
 雨の音
 しばらくして雨音に混じって、猫の声。
 <サス、フェードアウト>
     
 <開幕およびライトイン> ※開幕までに上記の道具は片付けておく。

 薄汚れた文芸部の部室。床にはダンボールがいくつか。本らしきものも散乱している。
 壁にはマンガのキャラクターなどのポスター。机の上の簡易本棚には漫画やライトノベル本などがならんでいる。

 女生徒(ヒロコ)が部屋の整理をしているが、なかなか片付かない様子。箱から本らしきものを抜き出したり、中身をめくって大笑いしたりしている。

 女生徒2人(レイとミチル)が話しながら入ってくる。
      
レイ 「もう、ミチルのせいでびしょびしょ」
ミチル「ごっめん、レイちゃん。えっと、たぶん、タオルが・・・あった!」


 ミチル、カバンからタオルを取り出し、レイに渡す。

レイ 「(タオルで制服のしずくをぬぐいながら)どうすんの、帰りは?駅まであいあい傘?」
ミチル「それは、大丈夫。部室のどっかに、もう2,3本、置き傘してるから」
レイ 「2,3本?いったい、何本持ってんの?」
ミチル「(自分の髪を別のタオルで拭いながら)ねぇ、何とかなんないかなあ」
レイ 「まだ言ってる。大丈夫だって。猫缶買ってきて、やったし。すぐに誰かが拾ってくれるって。小学生の通り道だもの」            
ミチル「でも、雨降ってるしぃ」
レイ 「いいかげんにしなって。どっちみち、うちは無理。ミチルこそ、そんなに言うんなら、なんとかなんないの?」
ミチル「う〜ん、うちはもう4匹もいるからなぁ。無理だと思う」
レイ 「じゃ、仕方ないでしょ。ほら、宿題するんでしょ?腹ごしらえしてさっさと始めよ」

 ヒロコに気付いて驚く。

ミチル「あれぇ、先輩、いたの?」
ヒロコ「よ、みーちゃん、レイちゃん。(手を軽く上げて挨拶)あ、そこ気をつけて。さっきゴキブリのミイラ、発見したから」
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