こころは暴走列車
ココロ 女
佐伯憩(さえきいこい) 男
犬飼要(いぬかいかなめ) 女
篠宮基(しのみやもとい) どちらでも
諸戸誉(もろとほまれ) どちらでも
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開幕
佐伯にスポ?
【諸戸の研究室】
(佐伯 扉をガンガン叩くなどしている)
佐伯:おい、諸戸!諸戸〜!まあたぶっ倒れてんだろ開けるぞ!…ん?んん〜っ?…あいつ、使えねえ鍵渡しやがってたんだったな…(ピッキングを始める)よく見たら何だよこの形、引き出しの鍵とかか?コレ…よし、ったく手間取らせやがって…入るぞ〜?

明転
(ココロ 部屋の中央あたりに俯きながら座り動いていない)
佐伯:っうわ!?…え、何?女…人間?ええ、ええ〜っ?いやいやいや、諸戸に限ってそんな誘拐だとか…あ、もしかしてドッキリ!?だとしたら趣味悪っ…諸戸〜!どこ隠れてんだ〜?!(ココロの前を横切る)
ココロ:動作を認識、動作を認識、スリープモードを解除します
佐伯:うあああ!!?
ココロ:…おはようございます!現在の時刻は午前9時17分です!
佐伯:…なんだこいつ〜…?
ココロ:今日は午前9時30分から定期会議が…はっ!大変です!もう会議始まっちゃいますよ〜っ!?…あら?
佐伯:…
ココロ:わわわっ…おはようございます!お客様ですか?
佐伯:いや、俺は諸戸を…てかお前誰?新しい研究員、ってわけでもなさそうだし
ココロ:はい!わたしは感情学習人型ロボットのココロといいます!
佐伯:ふうん、感情学習…ん?ロボット?お前、ロボット?
ココロ:はい
佐伯:へえ…すげえな、人間そっくりじゃん
ココロ:ありがとうございます!ええと…
佐伯:ああ、俺は佐伯…諸戸の同僚
ココロ:佐伯…ああ!佐伯憩さん!ご友人の!
佐伯:は?
ココロ:ほまちゃんから噂は予々…むむ、ほまちゃん、ほまちゃんはどこですか?
佐伯:ほまちゃん?…え、諸戸のことか?
ココロ:そうです!諸戸誉、わたしのマスター!まだスリープ状態なのでしょうか?いや、そもそも生体反応が…
佐伯:あー、諸戸な、諸戸は…
ココロ:…
佐伯:…いなくなったってことになるな
ココロ:いなくなった?
佐伯:さっきお前言ってただろ、定期会議
ココロ:はい、ほまちゃんいつも忘れちゃってるのでご迷惑を…
佐伯:そう、いっつも来ねえからここ半年は俺が迎えに来てて…ここん中入ったりもよくしたが、お前みたいなのは見た覚えなかったな
ココロ:ほまちゃん、みんなを驚かせたいから〜ってココロのこと隠してたんです
佐伯:はは、アイツそういうの好きそうだしな…で、今日も例に漏れず迎えに来た訳だが…諸戸はいなくてお前がいる
ココロ:むう、お前じゃなくてココロですよー
佐伯:はいはい、アイツがどっか行くのは、まあ…よくあるんだけど。でもなんか妙な感じだな……なあ、ココロは俺が来た時起動してなかったよな、どんぐらいあの状態だった?
ココロ:うーん…おそらく二週間ほどですね、前回の定期会議以降スケジュールのアナウンスが行われていません
佐伯:俺も最後に見たのはその日だな…でも二週間か、後にでも篠宮さんに連絡あるか聞いてみるかな…ん?おい、アイツ手紙送られるような仲の奴がいるのか?
ココロ:お手紙?…いえ、そのような方はいなかったと思いますが
佐伯:…佐伯憩くんへ?
ココロ:佐伯さんとはしていたんですね!
佐伯:断じてしてない。…ん〜、ご丁寧に封までされてるな、開けるか
ココロ:遠慮ないですねえ
佐伯:俺宛だろ?別に遠慮する必要ねーだろ…『佐伯、君がここに来たということは私は暫く顔を見せてないのだろうね。また定期会議かな、それとも遊びに来てくれた?う〜ん残念!私は当分顔を出せなさそうだ、少し遅かったね!』…諸戸の文体だな
ココロ:筆跡的にもほまちゃんが書いたもので違いなさそうですね
佐伯:『…さて、ここからが本題。この部屋にはこれより明らかに目を引くものがあっただろう?お目が高い!彼女はココロ、私が長らく研究、開発してきた、人間と同じ感情を持つロボットだ。…しかし、彼女はまだ完全ではないんだ。姿形やあらかたの感情は完成したが感情面は未だ足りていないものが多い。』
ココロ:…
佐伯:『それらは私一人で与えるのが難しい、第三者の協力が必要なんだ…そこで君にはそれを与えることと彼女の管理を頼みたい。分かっているだろうがNOは受け付けないよ、佐伯!』あー、つまり…
ココロ:ココロはしばらく佐伯さんと一緒にいればいいということでしょうか?
佐伯:手紙に書いてんのはそんな感じだけど…ココロさ、諸戸から直接なんか聞いてないの?
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