The moon
女性2人。

女A…社会人・劇団員。ドライ、Bへの執着。
女B…大学生。自由人、自信家?

───
It's not like it's the gods or___
神様なんていない。

きみは そこに いた。

7年前に突然姿を消したBがいつか帰ってくることを待って同居していたアパートの部屋に(無理して)住み続けているA。
Bが誘ってくれた「演劇」に縋って長い間待っていたが、そんなBがいつの間にか隣にいる。あの頃と変わらない姿でAに話しかけるB。ねえ、なんでいなくなったの。
「今、どこにいるの」
「…あったかくて、自由なとこ」
                        という、夢。


───
A「夢を見ている、夢を見た」

B「へー、この時間こんな番組やってるんだ」
B「なんかさ、前はあれじゃなかった?なんか、なんだっけ」
A「…何言ってんの?」
B「あー、ほらまた。あたしの話聞いてない」
(B、唇を尖らせながらテレビの音量を上げる)
A「ちょ!!勝手にテレビつけないで!電気代!!」
(A、リモコンを奪って雑に消す)
B「あ、久しぶりに聞いたそれ。で・ん・き・だ・い!!」
A「…はあ」
B「電気代気になるならテレビ置くなよー、て」
(B 話しながら下手側へはける)
A「だって、」
B「なに?あたしとの思い出のテレビだから捨てれなーいみたいな?もー、あたしのこと大好きなんだから」
(B アイスを持って話しながら出てくる)
A「うるさいなあ…ってあ、それ私のアイス」
B「いただいてまーす、これ好きなの変わんないね」
A「ほんと最悪。そうそう簡単に変わんないでしょ、好みなんて」
B「んー、まあそれもそう。あたしのこと好きなのも変わんないもんね?」
A「何回言うのそれ」
B「んー、話聞いてなかったバツ?」
A「仕方ないでしょ。こっちは台詞入れしてんの、あんたを気にしてる余裕ない」
B「…まだ続けてるんだ」
A「まあ…うん、」
B「ふーん。…ね。次の本、どんな話?」
A「…」
B「あたしのと、どっちがおもしろい?」
A「…」
(B、どことなくAの髪を掬う。指にクルクル引っ掛ける)
B「髪、伸びたね」
A「そりゃまあ、」
B「何年だ?…ひーふーみー」
A「あーもう!7年!!」
B「なな!7!?そんなに経ったの!?!」
A「自分のことでしょう、もう7年も経った。私は社会人になった」
A「…何を今更、帰って来ちゃって」
B「7かー、じゃあ、あたしはもう白くなったかなー」
A「はあ?」
B「んー、なんでもない」
A「ほんと、昔から話が噛み合わない」
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