A Good Father
A Good Father
峰内武光(みねうちたけみつ)作
二〇二四年五月七日 第一稿
★=照明キッカケ
☆=音響キッカケ
登場人物
水野太元 父 七十歳 地主の三代目で「高等遊民」を気取っている
水野瞳 母 六五歳 人生の達人、生きるためならなんでもやってきた
水野千尋 長女 三五歳 普通で頭が良くて真面目 学生結婚で一児を得るも離婚 実家に戻って子育てしながら働く
水野雪 次女 三三歳 美人でバカ、東京で就職して十年後に子連れで故郷に戻って来るが、息子の父親は秘密
水野まなみ 千尋の長女 一三歳 普通と思っていた家族が変かも?と思い始めている
登場しない人物
水野 心(はあと) 雪の長女
瞳の元夫 心の父親でもある
一場
★地明かり
誰もいない日本家屋の居間、畳敷きに大きめの机があり、下手の上座には太元の座椅子がある。
雪、赤ちゃんを抱いて上手前からそーっと入って来る。
雪 …ただいま…誰も…いませんね…。
☆赤ちゃんがむずかる。
雪 よしよし、ちょっと静かにね。お腹すいたー、冷蔵庫に何か食べ物ないかな。
雪、赤ちゃんを机に置いて上手奥に捌ける。
千尋、シャワー上がりの髪をタオルで拭きながら下手奥から居間に入って来る。赤ちゃんを発見する。
千尋 何、なんで赤ちゃんがここにいるの?(上手奥を覗き込んで)わ、誰かいる!
千尋、慌てて下手奥に戻る。数秒後、頭に花笠を被り手にバットを握って戻って来る。
雪、魚肉ソーセージをかじりながら上手奥から戻って来て、二人は鉢合わせになる。
千尋 キャ!泥棒!
雪 お姉ちゃん?…なにその格好。
千尋 あれ?雪?なんでここにいるのよ?いつこっちへ帰って来たの?
雪 さっき。声かけたけど、誰も出ないからさ。ただいま。
雪、赤ちゃんを抱っこする。
千尋 おかえり…じゃない!
雪 なんでいつまでも花笠被ってんの?
千尋 ヘルメットがなかったから、なんか頭を守るものって。それより、ここに赤ちゃんがいたでしょ?
雪 この子?はあとちゃん。
☆赤ちゃんが笑う。
千尋 あらかわいい、バア!
☆赤ちゃんが笑う。
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