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Just Like You

【Just Like You】

〈登場人物〉
1.フェリクス・ベル…シャルア公国諜報部のエリートスパイ（男）
2.ジェーン・ドゥ…シャルア公国暗殺部の殺し屋（女）
3.ミラ・エヴァンズ…諜報部司令官（女）
4.キャサリン・ホワイト…見習いジャーナリスト（女/両）
5.カヤ・レーニス…レーニス首領の娘。（女）
6.レイ…カヤの恋人（男）
7.オスカー・ジョーンズ…レーニス財務担当（男/両）

〈エキストラ〉
・A…パーティーの参加者、諜報部員（女）
・B…諜報部員（両）
・C…バーテンダー、オスカーの手下（両）
・D、E…オスカーの手下（両）

１．
[1-1]
　開幕。明転。司令室。上手に机と椅子が１セットとホワイトボード、中央若干下手寄りにソファー。エヴァンズが上手机の上に腰掛けていて、フェリクスがソファーに腕組して座っている。
フェリ　……気に入らないね。
エヴァ　……。
フェリ　エヴァンズ司令。念の為もう一度確認させていただきたいんですけど……今、なんて？
エヴァ　難しい任務にはなるだろうが、頑張れ。
フェリ　いや、その前。
エヴァ　これが今回君に課される任務の概要だ。
フェリ　んー、その三個前？
エヴァ　フェリクス。君には、シャルア公国暗殺部との共同任務についてもらう。
フェリ　それだ。
エヴァ　それが、どうした？
フェリ　それ、どうにか変えられません？
エヴァ　それは無理だな。
フェリ　そりゃいけねーや。
エヴァ　（溜息）……何が問題なんだ？
フェリ　俺、殺し屋嫌いなんすよ。
エヴァ　へぇ。
フェリ　だってアイツら短気なんですもん。正体がバレても、顔がバレても、最終的には殺すから問題なし。だから、潜入捜査やなんかでも平気でぼろを出す。そういうところが嫌なんですよ。ヤツらに、俺ら諜報部との共同任務なんて出来ません。
エヴァ　だが、
フェリ　殺し屋と組むなんて、金輪際ごめんだ。必要なら俺だって殺しくらい出来ます。奴らの助けなんていらない。
エヴァ　……君が優秀な諜報員であることは分かってるよ。だが、これは上層部の決定事項だ。
フェリ　（舌打ち）司令の力で変えてくれないんですか。
エヴァ　私にそんな力があると思うか？
フェリ　あっ……いえ～。中間管理職は大変ですね。
エヴァ　分かっているのなら素直に従ってくれ。予定では、もうじき君の相棒になる人間が到着するはずだ。詳しい任務の内容は、彼女が来たら……

[1-2]
　ジェーン、エヴァンズの台詞の途中で下手から入って来る。衣装はスカートかワンピース。
ジェーン　遅くなってすみません……！
エヴァ　ああ、噂をすれば。構わないよ。むしろジャストタイムさ。仕事かい？
ジェーン　ええ、まあ。前のお客様が、その……なかなかお眠りになって下さらなくて。
エヴァ　ご苦労さん。さて、フェリクス。彼女が今回君と共同任務につくことになる暗殺部員だ。
フェリ　（何も言わずにしばらくジェーンを観察して）……名前は？
ジェーン　ジェーン・ドゥよ。よろしく。
フェリ　けっ、名乗る気無しかよ。
ジェーン　いいでしょ。どのみち偽名なんだし。あなたは？
フェリ　フェリクス・ベル。
ジェーン　あら、可愛い。
フェリ　俺が付けたんじゃない。
ジェーン　いい趣味してますね、エヴァンズさん。
エヴァ　どうも。（咳払い）さて、二人揃ったところで今回の任務の詳細を説明する。まず、君たちは「レーニス」という名前に聞き覚えはあるか？

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