夢幻泡影
夢幻泡影
   
   〈登場人物〉
   
   ・うめ 酒屋の一人娘。人好きのする性格で正義感が強い。十九歳
   
   ・誠  佐那の旦那。菓子職人。二十六歳
   
   ・佐那 甘味処「爛漫」の店主。気が強い。二十四歳
   
   ・依  芸妓。簪は母の形見。物静かな二十二歳
   
   ・秀明 見習いの料理人。人懐っこい十八歳
   
   ・号外配 号外配りの男。
   
   ・男  彼は誰だろう。
   
   ・女 母の声もお願いします
   
   ・火消1,2 男。いいやつ。イケメン。ハンサム。男前、紳士。
   
   
   
   
   第零幕 おいでやす。
   
      ○幕が上がる。
      舞台は夜の京都。上下、それぞれ人が一人歩いてくる
      ☆照明-ホリゾント青
      ♪音響M1-虫の声・フェードイン
   
   女 あら、おばんです。こんな時間に珍しゅうござりんすね
       
      男から返事はない。
   
   女 どうしんしたか?
      
      男は何も言わず、女に一歩近づく。
   
   女 あたしに何か用でも?
      
      それでも男は何も言わない。女が男に一歩近づく。
      瞬時、男は懐から刃物を取り出し女に向ける。
      ☆照明-ホリゾント赤
   
   女 あ…あんさん、一旦落ち着きんしょう?危ないからしまいなんし
      
      男は女に近づいていく。男が刃物を振りかざす。
   
   女 きゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!
   
    
     暗転
  
   第壱幕 阿列布
      
      舞台は京の昼頃。賑やかな雰囲気。
      中心には号外を配る男。
      男の後ろには店の準備をするうめの姿。
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