わくわく高校演劇部
─────【登場人物紹介】─────
タケル(♂):男性側のメインキャスト。元気いっぱい男子。
エリカ(♀):女性側のメインキャスト。元気いっぱい女子。メインヒロイン。
イズミ(♀):監督担当。クール系女子。演技ができないわけではないが、元気いっぱいヒロインは似合わないという自負がある。
スナオ(♂):脚本担当。クール系男子。演技ができないわけではない。普段はダーク系ミステリーを書いている。
─────【役表】─────
タケル(♂):
エリカ(♀):
イズミ(♀):
スナオ(♂):
─────【本編】─────
イズミ(N)「私立わくわく高校。『何事も楽しく面白く』を校訓とするこの高校は、1ヵ月後に文化祭を控えていた。それぞれのクラスで様々な出し物を行うべく、授業が終わった後にそれぞれが居残りで文化祭の準備にいそしんでいた。」
(以下、アキラ役タケル、カオル役エリカで進行。)
(アキラ役、ベニヤ板を切ったりしている)
タケル(アキラ)「……ふう。」
(カオル役、教室に入りアキラの近くに歩いてくる)
エリカ(カオル)「アーキラッ。お疲れ様。ジュース買ってきたよ」
タケル(アキラ)「お、ありがとな、カオル」
エリカ(カオル)「いいってことよー。それより、せっかく私がジュース買ってきたんだからアキラもそんなに頑張ってないで、ちょっと休憩しよ?」
タケル(アキラ)「……そうだな」
(二人、教室の椅子に座り、缶ジュースを飲む)
タケル(アキラ)「……ぷはぁー、うまいっ」
エリカ(カオル)「アキラったら、おやじくさーい」
タケル(アキラ)「うるせえよ!」
エリカ(カオル)「それにしても……外、だいぶ暗くなっちゃったね」
タケル(アキラ)「ん? ……ああ、もうこんな時間か」
エリカ(カオル)「今年の文化祭の準備、いつもより忙しいよね」
タケル(アキラ)「仕方ないんじゃないか? うちのクラスの出し物が、『お化け屋敷』になっちまったんだから。……誰かさんのせいで」
エリカ(カオル)「わ、私だってまさか本当にお化け屋敷になるとは思わなかったんだよ!? 出し物を決めるホームルームで、他のみんなが何も言わなかったから、冗談で『お化け屋敷ー!』って言ったつもりだったのに」
タケル(アキラ)「まさかあんなに高い支持を得られるとはな……あげく先生まで『この学校でも過去にない大規模な出し物だ! 成功すれば歴史に残るぞ!!』とか言いだして」
エリカ(カオル)「いざやろうという話になって、どうやってやろうかーって話し合ったら想像以上に準備が大変で……」
タケル(アキラ)「それで、こんな時間まで居残り作業、ってわけだ」
エリカ(カオル)「あうう……。でもでも、楽しいじゃん? 楽しいよね?」
タケル(アキラ)「楽しいぞ」
エリカ(カオル)「そっ、そうだよね! 私悪くないよね!?」
タケル(アキラ)「楽しくなかったら、こんなに遅い時間になるまで残って作業とかしないさ。別に俺だけじゃなくて、クラスのやつら全員が楽しんで準備してるんじゃないか? ……何だ、心配してたのか?」
エリカ(カオル)「えっ……だって……なんか、私の提案で皆にこんなに遅くまで残らせちゃってさ……」
タケル(アキラ)「心配するなって。選んだのはクラス全員なんだから、お前が気にすることじゃない。」
エリカ(カオル)「でも……」
タケル(アキラ)「それに……」
エリカ(カオル)「……」
タケル(アキラ)「……」
(5~6秒ほどの間、カチンコ(拍子木)を鳴らす音)
イズミ「カァーット!! タァーケェールゥーくぅーん……? 次のセリフはどぉーしたのかなぁー……?」
タケル「うあぁー!! 俺か! 俺だ!! セリフ忘れた!! ごめん!!! 何だったっけ!!!」
エリカ「もぉー。せっかく良いところまで来てたのにー。私も何かセリフ忘れてるんじゃないかって不安になっちゃったじゃない」
タケル「うわぁーマジごめん! ちょっと台本確認させて!」
(タケル、机の上に置いてある台本を確認する)
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