ギとャとラとルとホとルとンの音が出ない
─────【登場人物紹介】─────
オシエル(♂(or♀)):ギャラルホルンを鳴らせない3人の天使のために、ギャラルホルンの鳴らし方をレクチャーする先生天使。
カンガエル(♀(or♂)):ギャラルホルンを鳴らせない3人の天使のうちの1人。一生懸命考えたり勉強したり、真面目に取り組む子。
トリマヤル(♂(or♀)):ギャラルホルンを鳴らせない3人の天使のうちの1人。とっても元気。考えるよりまず先に体を動かすのが得意な子。
ザトゥニヤル(♂(or♀)):ギャラルホルンを鳴らせない3人の天使のうちの1人。不真面目。やることが雑。というか雑を通り過ぎているかもしれません。

─────【役表】─────
オシエル(♂(or♀)):
カンガエル(♀(or♂)):
トリマヤル(♂(or♀)):
ザトゥニヤル(♂(or♀)):

─────【本編】─────

オシエル「整列! 番号! いち!」
カンガエル「に!」
トリマヤル「さぁん!!」
ザトゥニヤル「し。」
オシエル「よし。 カンガエル君。トリマヤル君。ザトゥニヤル君。今回、君たちにここに集まってもらったのは他でもありません。君たちは、今私が持っているこの笛、『ギャラルホルン』を知っていますね?」
カンガエル「はい、オシエル先生! 我々の世界が終末の危機にさらされた時、それを世界の皆に伝えるため、我々天使が世界に響き渡るように鳴らす角笛、それが『ギャラルホルン』です!」
オシエル「はい、そのとおり。さすがです、カンガエル君。トリマヤル君とザトゥニヤル君も、改めて認識しておいてください。」
トリマヤル「はい!!」
ザトゥニヤル「はーい。」
トリマヤル「ところでオシエル先生質問です!」
オシエル「はい、トリマヤル君」
トリマヤル「つまりギャラルホルンとは何なのでしょうか!?」
オシエル「……みんなをまもる、とてもだいじなふえです」
トリマヤル「わかりました!!」
オシエル「はい。 えーコホン。この笛の音をもって世界の終末を伝える、というとても大事な使命を持った笛になります。ひいては、笛を鳴らす担当になっている君たちも大事な使命を背負っていると言ってもよいでしょう。」
ザトゥニヤル「オシエルせんせー、質問です。自分たち以外にもいますよね? 担当。」
オシエル「はいザトゥニヤル君。そうですね。担当は全員で7名おります。その中で、どうして君たちが、君たち『だけ』が呼ばれたのか。」
トリマヤル「もしや、なにかさらに特別な使命が……! ゴクリ……!!」
オシエル「君たちが、ギャラルホルンを鳴らせないからです。」
カンガエル「……はい。」
ザトゥニヤル「ですよね。知ってた」
オシエル「ギャラルホルンを鳴らせない。すなわち、世界に終末を伝えることができない。これは一大事です。今でこそ世界は平和そのものですが、終末はいつ訪れるか分かりません。それが来る前に笛を鳴らすことができるように、これから練習をしていきます。わかりましたね?」
カンガエル「はい。」
オシエル「よろしい。」
トリマヤル「はい!!」
オシエル「元気があってよろしい。」
ザトゥニヤル「でもオシエル先生」
オシエル「はい、どうしましたかザトゥニヤル君?」
ザトゥニヤル「練習とは言っても、ここでギャラルホルンを鳴らしてしまったらそれで世界に終末が来たって勘違いさせませんか?」
オシエル「良い着眼点ですザトゥニヤル君。そのとおり。練習とはいえギャラルホルンが鳴ってしまうと、ザトゥニヤル君が言うように世界が勘違いしてしまいます。そこで……」
トリマヤル「そこで……!?」
オシエル「練習用には、今持っているギャラルホルンではなく、……よいしょ」

(ギャラルホルンを近くに置き、別の笛を持つ)

オシエル「こちらの笛を使います。」
カンガエル「……え? オシエル先生、その笛は? 見た目は完全にギャラルホルンと一緒ですけど」
オシエル「これは、ギャラルホルンの練習用に使用する、見た目も機構もそっくりだけど終末を伝えない笛、その名もギャララナイホルンです。」
カンガエル「ギャ……?」
トリマヤル「ギャナ、ギャラナ、ギャララナイホルン!?」
オシエル「はい。終末を『伝える』笛が、ギャラルホルン。対して、こちらは終末を『伝えない』笛、ギャララナイホルン。」
ザトゥニヤル「ギャラるって動詞?」
オシエル「リピートアフタミー。ギャララナイホルン。」
カンガエル「ギャララナイホルン。」
オシエル「はい。ギャララナイホルン。」
トリマヤル「ギャラララララナイホルン!!」
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