桃太郎・鬼物語
桃太郎
婆登場
婆「桃太郎、桃太郎。どこだい？晩御飯の準備ができたよ」
桃登場
桃「おばあさん、桃太郎はここにいますよ。ちょっと山に芝刈りに行ってきました」
婆「ありがとうよ。桃太郎。爺さんが生きてればお前にこんな苦労をかけることもなかったのにねえ」
桃「いいんですよ。気にしないでください。おばあさん」
婆「まったくあれもこれも、鬼ヶ島に住む鬼が悪いんだよ」
桃「そうですね」
婆「あいつらは最近も町で人を襲ったとか噂になってたしね
爺さんが病で死んだのもあいつらのせいに違いないよ」
桃「そうですね」
婆「しかも悪事を働いて稼いだ金で毎日豪遊三昧らしいじゃないか」
桃「そういう話も聞きますね」
婆「あいつらがいい暮らしをして人族である私たちがこんなつつましい暮らしを送らなきゃならないなんて
世の中間違ってるよ」
桃「そうですね」
猫登場
猫「ごめんくださいニャ」
桃「なんだニャンタか。今日は何かいいものでもあったか」
猫「今日はいつもの野菜に肉、それと評判の反物をもってきましたにゃ」
婆「ふん、猫族ってのはいい身分だね。人が作ったものを売るだけで金を稼げるんだから」
猫「それが商人ですからにゃ」
婆「まぁ、野菜も肉もいつも鮮度がいいし、この反物なんて、なんて素晴らしいものなんだろうね
いったい誰が作ってるんだい」
猫「申し訳ないにゃ。それは言えないんですにゃ。」
婆「人族の私が聞いてるのに答えないつもりかい」
猫「人族の方にさからうつもりはありませんが、どうかこれだけはご容赦願いたいにゃ」
桃「ニャンタ。お前おばあさんの質問に答えないつもりか」
婆「まぁいいじゃないか。桃太郎。こうやっていい品物をもってきてくれれば、私はなんでもいいよ」
桃「おばあさんがそういうなら」
1/8
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで！
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。
