水の子
水の子
佐々木千早
リク
ウミ
ママ(声のみ)

ウミとリクは真っ白い服。
千早は黒服で首には白いリボンが巻いてある。

真っ白な空間。ただ広くどこまでも続いてるように感じる。
中央後方に長椅子。左右には無造作に白い箱が置いてある。
舞台中央に横たわる千早。
それを不思議そうに見つめているウミ。
ウミに隠れて怖がっているリク。
リク「ね、ねぇウミ。その人、死んでるのかな?」
ウミ「さぁ?わかんない。リク、怖いの?」
リク「こ、怖くなんてないよ!」
身じろぐ千早。
リク「ひっ!」
ウミ「あはははは!ひっ!だって!」
リク「ウミー!!やめてよー!」
千早「う、うぅ……。」
ウミ「あ!起きるのかな?」
千早「ん……寒い……。ここどこ?」
ウミと目が合う千早。
ウミ「起きたー!」
千早「あなたたち誰?ここはどこ?」
ウミ「ウミだよ!」
リク「……僕はリク。」
ウミ「ここはねーウミ達にもわかんない。」
千早「え?」
ウミ「だーかーらーウミ達にもわかんないの!でも安全だよ!」
千早「何を根拠に……。」
ウミ「だってウミ達怪我も病気もしたことないよ。いつも元気!」
千早「信じられない。」
ウミ「本当のことだよ。ねぇリク?」
リク「う、うん。そうだねウミ。それより、お姉さんだぁれ?」
千早「佐々木千早。」
ウミ「ちはやー?」
リク「ささき、ちはや?」
千早「そう、ちはや。」
ウミ「ちはやはどこから来たの?」
千早「呼び捨て……。まぁいいけど。ここじゃないところ、たぶん外?になるのかな。」
ウミ「そとってどこ?」
千早「もっと色んな景色や色があるところ。」
リク「僕知ってる!本で見たよ!いっぱい色があって、人がいて、キラキラしてるとこ!」
ウミ「え!!ちはやはそんなところからきたの!いいなー!ウミもみたい!」
リク「外って本当にあるんだね!」
千早「……そんなにいいところじゃないと思うけどな……。」
ウミ「ちはやは外きらい?」
千早「うん、あんまり好きじゃない。」
リク「なんで?本で見た人たちはみんな笑顔だったよ?」
千早「私は楽しくなかったから。外なんかよりここの方が落ち着く。」
ウミ「ふーん。外ってちはやにとっては楽しくないんだ。」
リク「ねぇ、そんなことより遊ぼうよ〜。」
ウミ「うん!ちはやも一緒に遊ぼ!」
千早「え?いいの?」
ウミ「うん!多い方がたのしいじゃん!」
リク「ちはやはなにして遊びたい?」
千早「……。なにしたいかわかんない。」
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