じゃないほうのこぶとりじいさん
じゃないほうのこぶとりじいさん
                                   作:海部守

時: 昔話のような今のような時

所:日本のようなどこでも良いようなところ


登場人物
・こぶとりじいさんA 小柄のぽっちゃりさん。※1
・こぶとりじいさんB しゅっとした背高のっぽさん。※1
・白ねずみ      おしゃべりが得意。
・黒ねずみ1~多   暇なら村人をやってもいい。
・医ラット      お医者さんのねずみ。
・殿様ラット     ねずみのお殿様。
・村人1~多     暇なら黒ねずみをやっても良い。
・ナレーション    
 ※1:こぶとりじいさんはキャラ設定上同一人物だが、痩せてもそうはなら
   ないだろうというギャップが欲しいので役者二人の違いが大きければ大
   きいほど望ましい。
 ※2:舞台上にネズミの穴を大小2つ用意して人間ステージ、ねずみステー
   ジと分けると良いかもしれない。エクササイズでの気持ちが高まったと
   きだけ人間とねずみの世界が交わるみたいなこともある。

■第一場
 村の中。舞台中央前付近。

こぶA  いやぁ、今日もいい天気だなぁ。絶好の散歩日和だ。
ナレ   昔むかしあるところにこぶとりじいさんと呼ばれるおじいさんが小
    さな村に住んでおりました。

   こぶとりじいさんが村の中を散歩していると村人があいさつをしてくる。

村人1  おはよう。こぶとりじいさん。
こぶA  む? おはよう。
村人2  おはよう。こぶとりじいさん。いい天気だね。
こぶA  むむ? おはよう。
村人3  あ、こぶとりじいさん。おはようございます。気持ちの良い朝ね。
こぶA  むむむ。おはよう。

   こぶとりじいさんA行ってしまう村人たちの後ろ姿を不満そうに見つめ
  る。

ナレ   この少しぽっちゃりなおじいさんはみんなからこぶとりじいさんと
    呼ばれ親しまれておりました。ですが、こぶとりじいさんはこぶとり
    じいさんと呼ばれることが実はすごく嫌でした。

こぶA  わしのことをこぶとりじいさんと呼ぶなんてなんて失礼な連中だろ
    うか。全く面白くない。

   こぶとりじいさんAは家に帰っていく。

ナレ   こぶとりじいさんはこぶとりじいさんと呼ばれるのが嫌であまり外
    にも出て行かなくなりました。

■第二場
 こぶとりじいさんの家の中。舞台中央メイン。

   こぶとりじいさんAは家の中で寝転がっている。

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