地球のてっぺん
Long Way North
登場人物
サシャ/幼サシャ
トムスキー王子
ルージン秘書
オルキン船長
ナージャ
父イワン
母ジュリ
オルガ女将
ルンド船長
ラルソン航海士
カッチ
シャックル
町娘1、2
客1、2/乗組員1、2
第1幕 オルキンの部屋
オルキン さあ、目を開けてごらん
幼サシャ、目を開ける
オルキン、サシャに小型の旗を渡す
オルキン 地球のてっぺんは、どこにあると思う?
幼サシャ、地球儀に旗を立てる
オルキン ここが、北極点。全ての冒険家が言葉を失う程美しい場所だ。お前が15歳になったら、一緒に行こう
幼サシャ 約束よ?
イワン サシャに変な期待をさせないで下さい、お父さん
乗組員 オルキン船長、そろそろダバイ号が出航します!
オルキン ああ、今行く
オルキン退場
乗組員 ダバイ号、出航!
汽笛音
幼サシャ、被っていた帽子を握って振る
イワン 可笑しなことを言い残していったな
ジュリ ええあなた。サシャは女の子、いずれは社交界で王子様の相手役を務めるんですからね
第2幕 図書館
ナージャ うふふっ。舞踏会には、真っ赤なローブを着て行く予定なの。ねえ、サシャは何色のドレスにするか決めた?
サシャ それよか、見てくれない?ナージャ。この地図、北極の端だけ描かれているの。もし港から向かうとしたら…(コンパスで測る)
ナージャ (地図帳を取り上げる)唯一無二の幼馴染として忠告しておくけど、北極行きは止めた方がいいわ
サシャ ダバイ号は丸2年も帰っていないのよ?
ナージャ 砕氷船の乗組員は、港町育ちの荒くれ者ばかりよ。あんたが乗り込んだしたら…
扉が開く音
サシャ、ナージャ隠れる
王子、秘書、登場
秘書 ご覧下さい、トムスキー王子。名だたる探検家達が、ロシア帝国図書館に持ち帰った品々を
王子 ふわああ(欠伸)、あまり面白くないなあ
秘書 博識で無いと、貴族の娘の気は引けませんよ?(両手を差し出し、王子と踊りながら)ダンスパーティーには、あのダバイ号船長、オルキンの孫もいらっしゃるのです
王子 (踊りながら)はっ、ダバイ号?北極点を目指すと言っておきながら、行方不明のままじゃ無いか。多額の資金を積ませた癖にな
秘書、王子、退場
ナージャ 感じ悪っ。あいつが王子なの?
サシャ 私、あいつと踊るのよ
ナージャ うわぁ…コルセットで締め付けられるみたいね
第3幕 大広間
男女が躍っている
イワン 素晴らしいメヌエットだな。様子はどうだ?
ジュリ お爺様のことを引きずっているの、あなた
ナージャ 図書館でも、しかめっ面で地図帳と睨めっこでした、おじ様
イワン いかんな、ローマ大使の地位がかかっているのに。暗い顔をしていては、王族には気に入られまい
王子と秘書、登場
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