つたない先輩
つたない先輩
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後輩(こうはい) 男
蔦内(つたない) 女
荒暮(あらくれ) 男
小井(こい) 女
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後輩荒暮小井にスポ
後輩:前略、世間様。緊急事態なんです、落ち着いて聞いてください。…僕が晴れて進学し早三ヶ月、この高校にはとんでもない人がいます。
荒暮:演技じみた話し方
小井:テストはいつも満点
荒暮:屋上に入る
小井:他学年のフロアを徘徊する
荒暮:スマホを持ってない
小井:人の目を気にしない
荒暮:先生からの呼び出しが多い
小井:いつもひとり
(荒暮小井 スポが消えはける)
後輩:その人…蔦内先輩は学校一の変人です。絶対に平凡な僕とは交わることのない人…そう思っていたのに(蔦内に手を取られ歩き出す)
スポ消

【七月初旬 社会科室とその前の廊下】
後輩:訳がわからない、なぜ僕は蔦内先輩に連れられ廊下を歩いているんだ?
蔦内:いやあ幸運だよ、君が偶然教室にいてくれて
後輩:僕は災難ですけどね、あんなに目立つことになるなんて
蔦内:ひどいなあ。かれこれ一週間、君を求めてあの教室に通い続けたんだぞ?
後輩:それじゃ僕が教室にいたのは偶然じゃなくて必然じゃないですか
蔦内:細かいことを気にするんじゃないよ
後輩:なぜそこまでして僕を?
蔦内:その理由がここにある。(デカデカと“不思議同好会”と書かれたやたら大きな立て看板を指差す)さあ、入りたまえ
後輩:…不思議、同好会?
蔦内:歓迎しよう、我が不思議同好会へ!
後輩:えっと…僕に入れと?
蔦内:後輩は重要な戦力となるぞ
後輩:絶対僕よりも適任がいますよ
蔦内:私は後輩と共に活動がしたいのだが
後輩:そんなにですか?
蔦内:めちゃくちゃ君が欲しい
後輩:ええ、いや…はあ…いいですよ。入ればいいんでしょう?
蔦内:ほう!判断が早くて助かるぞ、後輩!
(後輩入る)
後輩:だって蔦内先輩、きっと僕が入るって言うまでうちの教室に来続けるんでしょう?あれ以上目立つのは嫌なので
蔦内:楽しくないのか?
後輩:先輩が教室に来ると、大抵の後輩は緊張しますよ
蔦内:ほう、そういうものなのか
後輩:そういうものです
蔦内:まあ、多分これからも私は君の教室に訪れることにはなるだろうがな
後輩:は?
蔦内:不思議には敏速な研究が必要なんだ。放課後まで待っていては不思議の旬が過ぎてしまう、分かるだろう?
後輩:……マジか〜…
蔦内:ん〜、入会届は …この紙だったか?ほら、君の個人情報をここに晒したまえよ
後輩:…書きますけど、変な言い方しないでくれません?
蔦内:変か?
後輩:なんかヤな感じです……ん?
蔦内:どうかしたか?
後輩:記入欄に住所って
蔦内:あるな
後輩:書くんですか
蔦内:ああ
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