君に捧げるblanc.
布瀬衣織
伊東美衣菜
長谷見達人(たつと)
播磨真知
三嶋文実(ふみ)
伊東希理菜
藤巻輝里(かがり)
裾分茉莉(まつり)
串田奈未(なみ)
掛下千鳥(ちどり)
高附牡丹
来間紬
麻野亜弥(あみ)
絹山万結(まゆ)
渡辺啓斗
三角千冶子
プロローグ
二年前、学園祭
舞台黒のまま声のみ、ざわめき
司会(過去)「さあ、毎年恒例手芸部ファッションショー。いよいよ最後となりました。今年のラストを飾るのは…期待の一年生、伊東 美衣菜ー!!」
司会(過去)「モデルは双子の妹、生徒会の一年生、伊東 希理菜! タイトルは『ジェミニ』!」
生徒声「伊東って、”伊東まき”の孫らしいよ。」
生徒声「えっ! あのデザイナーの?」
生徒声「うん。しかもうちの高校、伊東まきの母校でしょ? 結構なスポンサーだって話だよ。」
生徒声「手芸部がやたら部員多いのってそのせいだったんだ。」
生徒声「っていうか、七光りってこと?」
生徒声「トリやってるのもそのせいかー」
生徒声「でも流石に完成度高いな…」
明転、無音になる
見上げている衣織
衣織「あの日、僕は初めて恋をした。」
暗転。
◎プロローグから一年後、本編の一年前
部室、生徒は椅子に座り、中央に三角先生が立つ。
三角「今年も学園祭が近付いてきています。皆さん進捗はどうでしょう?」
達人「展示担当はテーマを『世界の伝統衣装』に決定し、二年生を中心に各自製作を進めています。」
部長「ステージ担当は各自でテーマを決めて、現在はモデル生徒との交渉中です。モデルが決まり次第、それぞれ製作を始める予定です。」
三角「了解です。順調に進んでいるようで何よりです。」
三角「我らが手芸部の活動は応援してくださる生徒の皆さん、そしてスポンサーの皆様のご協力のもとに成り立っています。学園祭はそんな皆様方に日頃の感謝と成長をお伝えする貴重な機会です。心して臨むように。」
部員一同「はい!」
三角「それでは、今年のファッションショーのトリを指名する。」
真知「いよいよか〜! ワクワクするね! 私、実は今年も美衣菜なんじゃないかなって思ってるの!」
美衣菜「ありがとう、真知。でも先輩達の方が相応しいよ。」
真知「またまた〜謙遜しちゃって〜」
文実「それが美衣菜の、いいところ。」
真知「そうそう! 才色兼備で文武両道の高嶺の花なのに謙虚さを忘れない! もう最高ーー」
達人「うるせえ、真知! いい加減静かにしろ!」
真知「はあ〜? あんたに言われると腹立つわ。」
達人「なんだとーー」
部長「二人とも静かに、先生が困っている。」
真知「あっ、すみません…。」
達人「…すみません。」
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