ロミオとジュリエットと
~部員獲得大作戦~
ロミオとジュリエットと


柿木優樹奈(かきのき ゆきな)
鈴音美鈴(すずのね みすず)


場所は、狭い部室のようなところ。
2人の女の子がいる
どうやら、演劇部の2人。
ここは私立高等学校演劇部。
廃部寸前の演劇部。
優樹奈がスマホいじってる
そこに来る美鈴


美鈴「おはよう」
優樹奈「ういー」
美鈴「なんか連絡あった?」
優樹奈「ゼーロー」
美鈴「そっか」
優樹奈「宣伝頑張ったのになぁ」
美鈴「どうしよう…」
優樹奈「このまま、新入部員入ってこなかったら…どうする?」
美鈴「どうするって…どうなるの?」
優樹奈「先輩たち居なくなった今となっちゃ、部員は私、柿木優樹奈、そして、鈴音美鈴、演劇部はこのお二人でございます。」
美鈴「いや、いくらなんでも入るよ!1人もってことないよ!」
優樹奈「2週間」
美鈴「えっ」
優樹奈「もう2週間だよ。その間部室を尋ねたのは、1人。男の子1人。しかもその子は、隣の軽音楽部と間違えて、そこの扉を叩いた、それだけの関係…」
美鈴「わかんないよ!だって…」
優樹奈「だって?」
美鈴「演劇…楽しいもん…」
優樹奈「わかる。わかるよ。でもさ、私達が楽しいだけじゃダメ。伝わってなかったんだよ。だから、人が入ってきて無いんじゃん。そこは一旦受け入れないと。」
美鈴「何がダメだったのかな…」
優樹奈「部活動紹介。アレでつかみ損ねた気がする。」
美鈴「なんで?名作のワンシーンあんなに頑張ってリメイクしたのに!」
優樹奈「ゴドーを待ちながらは良くなかったんじゃないかな?」
美鈴「名作だよ!」
優樹奈「いや、わかるよ。名作だよ。目の前のものに意味を見出だすのが人間の特性だって事に向けての裏切りを提起した名作だよ!でも」
美鈴「でも?」
優樹奈「マニアックすぎたんじゃないかなぁ?」
美鈴「それは…私も…感じてた…」
優樹奈「だよね…」
美鈴「ゆきちゃんも一緒に盛り上がってたじゃん…」
優樹奈「勢いって怖いわ…」
美鈴「もっと楽しそうなのが良かったんだよね…きっと…」
優樹奈「そうだよね…今思うと突っ立ってただけだったものね…」
美鈴「なにも起きなかったもんね…もはや事故だよね…」
優樹奈「ざわつきすら聞こえてきたよ…」
美鈴「なんで気付かなかったんだろう…」
優樹奈「逆に凄いことやってる感で高揚していたよ…」
美鈴「来ない!こんなんじゃ来るわけ無い!」
優樹奈「気付くの遅かった!!」
美鈴「どうしよう。2人だけじゃ、何も出来ないよ…大会だって…」
優樹奈「そんなことないよ。」
美鈴「でも、2人で何が出来るの?2人で役者で出たら、音響照明も出来ないんだよ??」
優樹奈「いや、兼任しよう」
美鈴「兼任!?」
優樹奈「何も、舞台の上だけが舞台なわけじゃない。音響席、照明席まで舞台の一部として扱うんだ。むしろ客席も舞台の上として扱う。」
1/5

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム