お前の名は
「お前の名は」
カズサ
シオン
カナコ
ユキヒコ
なにもない舞台。灯りは個人に当てられるシステムがあると便利。無かったら懐中電灯手持ちで相手を照らすとかでもおしゃれかもしれない。なんかいいアイディアあったらそれ採用。カズサ現れる。
カズサ「俺の前はカズサ。でも、インターネットの中ではカナコと名乗っている。いわゆるネカマというやつだ。女のフリをしていると世の中が全くもって変わって見える。まず真っ先に思うのは、男はスケベだ。そして思ったよりキモい。マジでキモい。セックスの事しか考えてない。俺が男だからよくわかる。全てのメッセージがセックスに繋がっている。ワンチャン狙いというオーラが漂っている。「どしたん?話聞こうか?」「地震大丈夫?」「今何してるん?眠れないなら付き合おうか?」うっせえボケ!!わかる、俺にはわかるぞ。それらの言葉の裏に隠された、「良いから一発やらせろ」の言葉が。俺にはわかる。何故なら、俺は男だから。そんなある日。」
別空間、シオン
シオン「私の名前はシオン。でもインターネットの中での名前はユキヒコ。いわゆるネナベというやつだ。男のフリをしてるとわかる。女の子可愛い。マジで可愛い。いやわかる。女の子はいつでも可愛い。違うそうじゃない。男視点からの女の子の反応マジ可愛い。女同士ってアレなのだ。なんていうか、ちょっと探り合うとこあるし、こっちの下心は察されるのだ。だから、バランスが難しいのだ。でも、男相手だと違う。なんか、めっちゃ単純な存在として扱ってもらえる。え、これ、良い。変な安心感がある。え、これ、ユートピア。相手が自分に対して単純な存在として見てるのがわかる。何故なら、私は女だから。そんなある日。」
カズサ「ユキヒコという男に」
シオン「カナコという女に」
二人「出逢った」
OP(なんか好き勝手やってください)
これ以降、便宜上、ネット上のカズサ→カナコ、シオン→ユキヒコと表記します。カズサ、カナコ。シオン、ユキヒコは同一人物が演じても、別人が演じても良いです。
カナコ「へぇ、ユキヒコさんって言うんですか。素敵な名前ですね。」
ユキヒコ「普通だよ。カナコちゃんこそ可愛い名前だね。」
カナコ「そんな、照れちゃいます。」
ユキヒコ「照れてるの?可愛いね。」
カナコ「ユキヒコさんって普段何をされてるんですか?」
ユキヒコ「僕は、商社で働いてるよ。あまり大きくない会社でね。カナコちゃんは?」
カナコ「私は、劇団で俳優をやってます」
ユキヒコ「俳優!?凄いね!」
カナコ「全然凄くないです!むしろ、バイトしてる時間の方が長くて、どっちが本職なんだかわかりません(笑)」
ユキヒコ「いや、凄いよ。好きなことを一生懸命頑張るって、素敵なことだと思うよ。」
カナコ「でも、こんなんでいいのかなって最近思うんです。」
ユキヒコ「どうして?」
カナコ「ちゃんとした職業につかなくて良いのかなって」
ユキヒコ「いや、俺は凄いと思うよ。なかなか出来ることじゃないよ。カナコちゃんを見習って、俺も何か始めようかな…。」
明かり切り替わる
カズサ「いいやつじゃん、ユキヒコ。てか、紳士だな…。」
シオン「頑張ってんじゃん、カナコ。可愛いじゃん、カナコ。」
明かり切り替わる
カナコ「ユキヒコさんなら、きっとなにやっても成功すると思います。紳士だし。」
ユキヒコ「いや、そんなことないよ。俺なんて、対した人間じゃないよ。」
カナコ「え?なんでですか。そんなことないです。世の中の男って、なんだか不潔で…。いつもエッチな話ばかりするし…。」
ユキヒコ「え、そうなの?それは、大変な目にあってるんだね…。」
カナコ「ユキヒコさんみたいな人たちばっかりだったらいいのになー。」
ユキヒコ「いや、それはちょっと。俺なんてホントに対した人間じゃないから…。カナコちゃんの方がよっぽど素敵だよ。」
明かり切り替わる
カズサ「…俺、なんか変な気持ちになってきたぞ。ちょっと、ユキヒコ好きになりそうだ…。」
シオン「なんだよカナコ…!可愛いかよ…!ってか、そりゃお前エッチな話されるよ…!お前なんかエッチだもん…!」
明かり切り替わる
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